「あのー、何か先入観があるんじゃないでしょうか」。スズキの鈴木修会長は、インドで生産した車に対する消費者の抵抗感について問われ、こう切り返した。
スズキは3月9日、小型ハッチバック車「バレーノ」の日本での販売を開始した。バレーノはインドで生産し、日本に逆輸入する。
同社がインド製の車を日本で売るのは、インド進出から33年間で初のことだが、欧州向けではすでに実績がある。「欧州に出していて問題はない。グローバル化というのは、そういうことじゃないでしょうかね」(修会長)。
とはいえ、「インド製の車が日本で受け入れられるのか」(東海地区のスズキ系販売店店長)と、懸念する声はある。過去、日産自動車や三菱自動車がタイ製の小型車を日本で販売したが、どちらもほとんど売れなかった。
それでもスズキは小型車の拡販のため、高い壁に挑まなければならない。国内の主力は軽自動車で約9割を占めているが、軽市場は14カ月連続マイナスと絶不調だ。今後も税制面での風当たりは厳しくなることが想定され、軽依存引き下げは急務。スズキは、15年6月策定の中期経営計画で、小型車販売10万台という目標を打ち出した。
スズキの14年度の国内における小型車販売実績は7.6万台。これまでの最高は8.6万台だが、あと2万台が遠い。理由の一つとして挙げられるのが、小型車のラインナップの少なさだ。
小型車では「スイフト」と並ぶ主力のミニバンタイプの「ソリオ」を15年にフルモデルチェンジ。16年1月には小型クロスオーバー(SUV風の乗用車)の「イグニス」、今回のバレーノと、立て続けに投入した。「10万台を売る体制が整いつつある」と鈴木俊宏社長は言い切る。
この記事は有料会員限定です
残り 590文字
