甘利明・前経済再生担当相への野党の追及はしばらく続くだろう。ここでは政治とカネではなく、政策への影響を指摘したい。甘利大臣の辞任でアベノミクスも終わる、と。安倍首相が返り咲いて、長期政権を築けたのは、甘利氏と菅義偉官房長官のおかげである。菅官房長官だけではこうはならなかった。
昨秋の危機を救ったのは誰だったかを思い出したい。安倍首相は安保法制成立を強行して、不支持率が高まった。失地回復へ、首相は経済最優先に舵を切るが、出てきた「一億総活躍社会」は出来が悪い。新しい3本の矢と言っているが、保育と老人福祉に税金を投じ、さらに給付金バラまきと、まるで左派の古い公約を見るようだ。
ここで逆転ホームランを放ったのが甘利氏。反りの合わないフロマン米通商代表部代表と粘り強く交渉して、TPP大筋合意を引き出した。経済人たちはこぞってその手腕を評価する。甘利氏こそ縁の下の力持ちだ。
石原氏は適任か
さて、後任の石原伸晃氏はどうか。甘利氏がリフレ志向で、石原氏は財政再建派という解説があるが、そういう問題ではない気がする。
今後の政策の焦点は、2017年4月に消費税率をうまく上げられるかだ。この局面で石原氏は適任だろうか。
甘利氏が閣外に去った後、財政再建派の重鎮として麻生太郎財務相の存在感が大きくなる。その麻生財務相は、12年9月の自民党総裁選で谷垣降ろしが起こったとき、谷垣氏に反旗を翻した石原氏を「平成の明智光秀」と酷評した。この二人では財政再建で共闘できそうにない。
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