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経産官僚たちの“春" まるで50年前に逆戻り

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アベノミクスの推移を見ていて、ある小説を思い出した。城山三郎が約40年前に書いた『官僚たちの夏』だ。時は1960年前後、ミスター・通産省(現経済産業省)といわれた異色官僚、佐橋滋(小説中では風越)と彼をめぐる人間模様を描いている。

為替、貿易の自由化を前にどんな政策を取るべきか、省内では意見が分かれていた。風越を中心とした、自由化を時期尚早とする産業保護派と風越の同期、玉木が領(りょう)袖(しゅう)の自由通商派である。風越は官民協調の産業合理化を実行するために指定産業振興法案(実際は特定産業振興臨時措置法案)を通そうとする。

法案名決定の際、対外競争力強化法(同国際競争力強化法)が候補になった。城山は書く。「昔ながらの対症療法を思わせ、民族的そして産業保護的な法律の感じを与える」。財界の反対で同法案は廃案となるが、候補名と似た名前の法律が2014年施行の産業競争力強化法だ。

親方日の丸時代のノトーリアスMITIですら躊躇した名を微修正したようなこの法律は、アベノミクスの第3の矢である「日本再興戦略」に盛り込まれた施策を実行し、産業競争力を強化するのが目的だ。産業の新陳代謝、設備投資の活性化の遂行役として経産省は官民出資ファンド、産業革新機構も持っている。

民間に任せていては産業構造の改革なんて進まないから役所が率先して、という発想だ。50年前に逆戻りである。

よみがえった官民協調 

同法の施行後、経産省にとって“優等生”である石油業界が再編に動いた。集約後の大手2社の市場占有率は7割以上になる。消費者利益はお構いなし、ということか。

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