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消費拡大へ政府が旗振り 賃上げの行方

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2016年春闘に向けて賃上げへの期待が高まる中、個人消費はどれだけ拡大するか(撮影:尾形文繁)

「収益が拡大した企業に対し、今年を上回る賃金引き上げを期待する」。経団連の榊原定征会長は2015年11月に政府が開催した「官民対話」の場でこのように表明。政府の要請を受け入れ、企業に賃上げを呼びかけていく考えを示した。

政府は名目国内総生産(GDP)を600兆円まで増やす目標を掲げている。毎年3%以上の成長を実現できれば、20年頃に達成できるという算段だ。そのカギを握っているのが、GDPの6割を占める個人消費の底上げ。経済財政諮問会議の民間議員による試算では、賃金が名目GDPと同様に年3%ずつ伸びた場合、消費は60兆円程度増える。

経団連が賃上げに前向きな姿勢を打ち出した現在、16年の春闘の焦点は「賃金が3%上がるか」だ。15年の春闘における大手企業の月例賃金引き上げ額は前年比2.52%(8235円)増。その中で3%近く増えたのは機械金属(2.95%増)と自動車(2.90%増)だけだった。

連合は16年の春闘についてベースアップ(ベア)と定期昇給相当分を合わせて4%程度を要求する方針を打ち出している。「それぞれの産業全体の底上げ・底支え、格差是正に寄与する取り組みを強化する」と連合の須田孝・総合労働局長は話す。

足元の業績では自動車が好調を維持している一方、原油安が直撃しているエネルギー関連や中国景気の減速に悩まされている鉄鋼、建機などの業界では15年度の業績見通しを下方修正した企業が出ている。賃上げ幅に差が出そうだ。

最低賃金引き上げで地方の中小企業は苦慮

政府は企業への賃上げ要請に加えて、もう一つの消費刺激策を打ち出した。最低賃金の引き上げだ。

「年率3%程度をメドとして名目GDPの成長率にも配慮しつつ引き上げていくことが必要。全国加重平均が1000円となることを目指す」(安倍晋三首相)。15年度の最低賃金は全国平均798円。年率3%ずつ増えると単純計算で23年に達成する。

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