東日本大震災以後、新規制基準をクリアして再稼働にこぎ着けた原子力発電所は九州電力の川内(せんだい)原発1、2号機だけ。ほかの原発はさまざまな課題を抱える。
2016年度に社債市場への復帰を目指す東京電力。その成否のカギを握るのが、柏崎刈羽原発6、7号機の再稼働の実現だ。出力は日本でも最大級であり、2基がフル稼働すれば年間に2400億円もの損益改善が見込めると東電はそろばんをはじく。
再稼働の前提となる原子力規制委員会の適合性審査では、15年8月に集中審査の対象とされたことで進捗に弾みがついた。フィルターベント設備の性能試験が終了するなど、再稼働のために必要な安全対策が進んでいる。だが一方で、国の基準に違反して敷設された安全系ケーブルが多数見つかるなど新たな問題が判明。地元の泉田裕彦・新潟県知事が東電の安全管理体制の不備を厳しく批判しており、再稼働の前提となる地元自治体の同意取り付けが容易ではないことをあらためて裏付けた。
他社の原発では四国電力の伊方3号機や、関西電力の高浜3、4号機(使用前検査の段階)で審査が進んでいる。ただし関電の2基は福井地裁で運転差し止め仮処分が15年4月に決定され、のど元にトゲが刺さった状態だ。関電が処分取り消しのために申し立てた異議審は遅くとも16年1月までに結果が判明する見通し。関電の主張が通らず、仮処分の決定が支持されると再稼働のシナリオは一気に遠のく。原発依存度が高い同社にとって死活問題だ。
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