かつて石油元売りには石油メジャーが出資する「外資系」と国内資本のみの「民族系」という色分けがあった。が、再編、撤退などで外資系は激減、2016年もまた外資系が1社消える。
15年7月、業界2位の出光興産と同5位の昭和シェル石油が経営統合へ基本合意した。英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルは保有する昭シェル株33%を16年上半期に出光に売却し日本市場から撤退。出光と昭シェルは17年4月までに株式交換で統合会社を設立する。両社の統合構想が明らかになったのは14年。一方、シェアで肉薄される首位のJXホールディングスも再編に動いた。15年12月に業界3位の東燃ゼネラル石油と経営統合で基本合意。三角合併方式で、17年4月の発足を目指す。
再編後の市場は、単純合算で売上高14兆円のJX・東燃ゼネラル連合(販売シェア約51%)と、同7兆円の出光興産・昭和シェル連合(同約28%)に二分される。
背景にあるのは厳しい事業環境だ。石油製品の需要は1999年度から右肩下がり。外資系の撤退がそれを端的に示している。
過当競争を憂えた経済産業省はエネルギー供給構造高度化法を通じて製油所の生産能力削減を督促、昔から官主導の業界が応えた格好だ。公正取引委員会の審査があるが、官製再編を考えれば「待ったをかけられることはないだろう」(元売り幹部)。
両陣営は経営統合により製油所、油槽所の効率化や販売の合理化を進め、それぞれ5年以内に年間500億円、1000億円以上の収益改善を見込む。特にJXと東燃ゼネラルは重複する神奈川県や大阪府の製油所の統廃合を検討。実現なら需給が引き締まり、採算改善が期待できる。
足元の国内精製事業のコスト削減を進め、アジアの中下流事業進出や石油・金属資源の開発、国内電力事業などに活路を見いだす。
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