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GMS大量閉鎖の“元年" スーパー

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イトーヨーカ堂は地方中心に40店の大量閉鎖を予定している(撮影:梅谷秀司)

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日本の流通業の中核を担ってきた総合スーパー(GMS)がいよいよ苦境に陥っている。大手各社は大量閉鎖を相次いで打ち出しており、2016年は試練の年になりそうだ。

セブン&アイ・ホールディングス傘下のイトーヨーカ堂は今後5年で全店舗180店の2割強に当たる40店の閉鎖を決定。同じく愛知地盤のユニーグループ・ホールディングスも16年9月のファミリーマートとの経営統合を控え、GMS「アピタ」「ピアゴ」で数十店規模の閉鎖を予定している。イオンは大規模な閉鎖予定はないものの、新規出店を大幅縮小し、既存店改装に軸足を移す方針だ。

セブン&アイは15年度上期、コンビニエンスストア「セブン‐イレブン」が業績好調で営業利益が3年連続で過去最高を更新する中、ヨーカ堂は90億円の営業赤字に転落。過去20年を振り返っても、既存店売上高が前年対比プラスになったのは02年度だけとさんざんな成績だ。セブン&アイの村田紀敏社長は「閉めるとすれば地方に集中する」と語る。

苦境の背景にあるのが専門店の台頭だ。その筆頭が「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングやカジュアル衣料のしまむら。ユニクロの国内売上高は過去10年で7800億円に倍増、しまむらも4割以上伸びている。一方、GMSの衣料部門は同じ期間に4割減と6000億円を失った。

住居関連でも、約400店を展開するニトリホールディングスが低価格を武器に28期連続増収増益を続けている。世界最大手のイケアも日本で店舗網を増やしており、GMSはここでも劣勢だ。

食品部門の集客も至難  相手は先へ行くばかり

「何でもあるが、欲しいものがない」──。GMSは自前主義で食品から衣料、住居関連までそろえ、顧客にワンストップショッピングを提供してきた。画一的な商品を大量に売る大量消費社会では効率的な販売手法だったが、市場が成熟化するにつれ、専門性の高い品ぞろえを求める顧客の嗜好変化に対応できていない。

最近は自前主義と決別し、ライバルを取り込む動きもある。西友は14年に30店の大量閉鎖をする一方、しまむらを新たに誘致した。「外部テナントを誘致して活性化させていく。これまでは自給自足が原則だったが、今後は柔軟に考えていく」と、西友の上垣内猛CEOは言う。

ただGMSにとって衣料部門の縮小は簡単ではなく、独自展開にこだわる企業が多い。粗利率が20%台と低い食品部門で来店頻度を上げ、同35%以上と高い衣料部門で儲ける仕組みだからだ。

食品で集客し続けるのも難しい。食品専門スーパーが個店ごとにきめ細かい品ぞろえや対面の売り場などで地域密着度を高めている。一方、商圏が広域なGMSは、地域や店舗ごとの対応には限界があり、本部主導による規模のメリットを生かした均一の品ぞろえになりがちだからだ。ライバルは一歩も二歩も先を行っている。追いつくのは容易ではない。

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