「俺たちはお化けなんだよ。誰も本当の姿を見たことがない」。自身に向けられるカメラのレンズを見ながら、そうつぶやいた。カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)の増田宗昭社長、64歳。蔦屋書店とTSUTAYAチェーン、そして目下大論争を引き起こしている「TSUTAYA図書館」を手掛ける企業グループの創業経営者である。
2011年7月のMBO(経営陣による買収)と上場廃止以降、増田氏が経済メディアの取材を受けることは皆無に近かった。トレンド系の媒体には時折姿を見せるが、そこにビジネスにまつわる言葉は乏しい。業績・財務情報も現在は、官報でひっそり開示するのみだ。
このところの注目度の高さとは裏腹に、CCCにまつわる“うわさ”は、その片鱗を描くだけのものや、根本的に間違っているものばかりになった。DVDレンタルの最大手──これは正しいが、すべてではない。代官山 蔦屋書店はコーヒーを飲む客ばかりで、本がほとんど売れていない──これは間違いである。蔦屋書店は広告塔でTポイントが本当のドル箱だ、図書館事業によって税金から儲けを得ている──まさしく幽霊を描くような、根拠のない見立てが独り歩きしている。
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