ビール業界2位のキリンビールは“独り負け”の2014年から一転、15年上期に業界で唯一、販売数量を伸ばして、6年ぶりにシェア上昇(0.9%増)を果たした。上期の“復活”は本物か。15年1月に就任した反転攻勢の指揮官、布施孝之社長に聞いた。
──今期も残り3カ月。通期の業績目標達成への感触はどうか。
今期はV字回復して、ビール市場のシェアを下げ止めることが最優先課題だ。手応えは十分にある。上期はビール4社で季節商品や派生商品の発売が相次ぎ、41の新商品が出た。このうちキリンは五つだけ。それでシェアが上がったのは、ブランドが強くなった証しだろう。
目先の数字にこだわって新商品を濫発しても、次の年に苦しくなるだけだ。今年はそうした手段に頼らず、好調を維持できている。また、ビールは情報に左右されるビジネス。“売れている感”が大事だ。上期のシェアアップのニュースを聞いた取引先からは、「キリンは好調だね、使いたい」と言ってもらえている。
──近く、酒税法改正が実施される見通し。戦略面の影響はあるか。
16年夏に参議院選挙が、17年4月に消費増税が控えている。これらの政治イベントを考慮すると、すぐ酒税法改正に踏み込むのは難しいのではないか。最後は財務省と政府が決めることなので、どのような時間軸で進むかはわからない。ただ、いずれ酒税を一本化するとなれば、税率が下がる見通しのビールの強化は必須。今から「一番搾り」ブランドに集中して投資している。
──発泡酒・新ジャンルのカテゴリーは、酒税の税率が一本化されれば増税となり、逆風が吹く。
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