資源価格の下落が商社各社の業績を圧迫する中でも、三菱商事は2020年に向けて、原油や石炭などの持ち分生産量を倍増させる方針を崩さない。純利益4000億円を超す総合商社最大手の成長シナリオに狂いはないのか。就任6年目を迎えた小林健社長に聞いた。
──原油や石炭など資源の価格が低迷している。
昨年後半から原油価格が下がっており、当社の資源部門は非常に苦しい時期が続いている。資源の投資は09年度から12年度にかけ、ずいぶん行い、それ以降は資産を入れ替え、減損もかなり出した。「掘れば売れる」という時代はもう終わった。これからはコストダウンのための設備投資をして、質のよい案件をより競争力のあるものにしていく。
たとえば原料炭では、BHPビリトンと組んで豪州に世界でいちばん大きな炭鉱を持っている。世界シェアも半分近い。拡張投資によってシェアをさらに高め、競合を排除していく戦略をとる。
──資源安は新たな権益を取得するチャンスにならないのか。
十分にあるし、実際にそう見ている。ただ、われわれがさらに投資に踏み切るクライテリア(判断基準)はそうとう厳しくなっている。
──その理由は?
これだけ資源価格が下がる現実があるからには、将来も(同じことが)ありうるわけだ。資源安、ゼロ金利、それから円安。三つが同時に来たのは、私が入社してから初めて。ここ2~3年は世界経済の踊り場で、資源価格の低迷が続くと見ている。
20年の資源の目標を持ち分生産量に設定しているのは、資源高はいつまでも続かないことがわかっていたから。新規投資をしなくても、LNG(液化天然ガス)、原料炭、銅は、20年に生産量を倍にするメドがすでについている。原油が1バレル=100ドルとまではいかないまでも、あと少しでも戻れば、かなりの収益が出る構造になっている。
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