「1社でもこちらにつけば勝てた。かなり高い可能性があると考えていた」。8月5日、国土交通省で会見を開いた米デルタ航空の森本大・日本支社長は、無念さをしのばせながら語った。同日行われたスカイマークの債権者集会で、デルタをスポンサーとする再生計画案が否決されたのを受けた会見だ。
集会には、最大債権者の米イントレピッド・アビエーションが前述の計画を出した一方、スカイマーク自身もANAホールディングスなどをスポンサーとする計画を提出。二つの案が同時に付議される異例の事態となっていた。
可決には、債権額に応じた議決権数と議決権行使者の人数の双方で、過半数を得る必要があった。イントレピッドは37.91%の議決権を有しており、航空機製造大手の欧エアバスとエンジン製造の英ロールス・ロイス、航空機リースの米CITという2~4位債権者のうち、1社でも賛成すれば、少なくとも議決権ベースでは過半数を握れるはずだった。
ところがふたを開けると、スカイマーク側の計画は議決権ベースで60.25%、人数ベースでは77.8%の賛成を集めて可決された。つまり、2~4位の大口債権者は、すべてスカイマーク側を選んだわけだ。特にエアバスとCITはスカイマーク側の計画について、「自社を含む大口債権者の賛成を得られない」という内容の上申書を東京地方裁判所に提出した経緯がある。デルタにとって両社がスカイマーク側に票を投じたのは“想定外”だったはずだ。
この結果はANAによる強力な説得工作の賜物だった。エアバスには、2014年3月と今年1月に計約40機の航空機を発注するなど、実績ある顧客だという点を強調し、支持を求めた。日本で米ボーイングの後塵を拝してきたエアバスは、ANAとの取引関係を少しでも太くしたかったとみられる。また、CITには、「具体的な約束はできないが、将来について議論した」(ANAHDの長峯豊之取締役)。日本での実績が皆無の同社にとって橋頭堡となる可能性を示唆した。ロールス・ロイスとは、すでに同社製エンジンを多数採用しており、関係は強固だったようだ。
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