「ゾウサ」「ギョウニン」「ホンテン」……。国税庁職員(国税職員)の間では、納税者(国民)にはわかりにくい数々の隠語が使われる。こうした隠語がたくさんあるのは、犯人のことを「ホシ」、事件のことを「ヤマ」と呼ぶ警察とよく似ている。
企業や個人の経済活動に重大な影響を与える国税庁は、警察と同じように強制力を伴う強大な権限を持つ。数々の隠語があるのは、自らの職業がほかとは違うという感覚を持っているからだろう。職人の世界と同じように税務調査の世界では職人的な技が尊重されていることも、隠語の多さにつながっている。
ちなみに「ゾウサ(増差)」とは、申告した所得と、税務署が把握した所得との差のこと。申告額を多く認定できた増収部分のことだ。「ギョウニン」は徴収部門のことで、「徴」の部首が「行人べん」であることからそう呼ぶ。「ホンテン」は税務署を管轄する国税局。これは警察署員が本部(警視庁や県警本部)をホンテンと呼ぶのと同じだ。
マルサに並ぶ「料調」 納税者を追い詰める
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国税庁の組織は3層構造だ。国税庁(本庁)─国税局(主要都市にある11局と沖縄国税事務所)─税務署(全国に524)となっている。約5万5000人の人員を擁する。
国税庁は税務行政の司令塔。税務の執行に関する企画・立案と、国税局、税務署の指導・監督をする。
国税局は税務署の賦課徴収事務について指導・監督をするとともに、大規模案件や広域の案件、税務署では手に負えないような難しい案件について、自らも賦課徴収を行う。法人については、資本金1億円以上の大企業を対象に、国税局調査部が税務調査を担当する。
税務署は納税者にとって最も身近な国税当局であり、第一線の執行機関だ。法人は1億円未満を対象にしている。
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