インターネットを通じて海外から配信される電子書籍や音楽、ネット広告などに、今年10月から消費税が課されることになった。米アマゾン、米グーグルのような海外のデジタルコンテンツ・IT事業者に有利に働いてきた不公平な制度がついに是正される。
電子書籍『夢をかなえるゾウ3』。2月2日時点の価格は紀伊国屋書店のサイトでは1296円、片や、楽天が展開するコボのサイトでは1200円。この差を分けたのは8%の消費税だ。
現行の法律では、消費税が課されるかどうかは「サービス提供者の所在地」によって決まる。紀伊国屋書店のように国内に販売拠点を置く企業の取引は「国内取引」として課税対象。一方、楽天が買収したカナダのコボや、「キンドルストア」を展開するアマゾンのように販売拠点が海外にあれば、日本国内に売ろうと「国外取引」と見なされ、不課税となる。電子書籍に限らず、音楽やネット広告などでも同様だ。
その結果、国内企業は不利な戦いを強いられてきた。典型的なのは電子書籍だ。消費者は価格の安さを重視するため、海外勢に対抗するには消費税8%のハンデを解消しなければならない。そこである電子書店では販売価格をアマゾンなどとそろえるべく、税別価格を値引きしている。だがその余力のない電子書店も多く、市場の大半は価格競争力で勝る海外勢に握られている。
海外勢は取り逃し 輸出に課税する理不尽
こうしたひずみの背景にあるのは、現行の法律ができたときに想定していなかったほど、国境をまたぐサービスがネットの普及で拡大していることだ。経済産業省によると、12年には電子書籍の国内市場730億円のうち350億円、ネット広告の国内市場6600億円のうち3900億円が海外事業者による配信だった。当局が徴収したい税収も無視できない規模になっている。
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