2014年前半のロシア経済は、第1四半期の成長率が前年同期比0.9%増、第2四半期が0.6%増と低迷していた。上期の固定資本形成(設備投資)は3.3%減で、天然ガスの北部パイプライン建設やソチオリンピックの設備投資がピークアウトしたことが大きい。投資の空白期を迎えたところに、ウクライナ情勢が緊迫化し、投資意欲の低下に拍車がかかった。その後も欧米の経済制裁の強化や原油価格の低下、ルーブルの下落で、経済情勢は厳しさを増している。
14年に入って個人預金の伸びが大きく鈍化している点も注意を要する。リーマンショック時、自国通貨の下落懸念からルーブル預金離れが起きたものの、ロシアの銀行自体の信用は悪化せず、外貨預金の人気は高まった。だが、今回は外貨預金の伸びが急速に鈍化しており、“ロシア離れ”を示唆している(下図)。

11月の消費者物価指数は前年比9.1%増で、通貨下落による輸入価格上昇が国内物価を押し上げている。足元ではルーブル暴落から、物価のさらなる値上がりを見越し、耐久消費財を買い急ぐ動きもある。それが一巡すれば、消費の悪化が鮮明になってくるだろう。
景気の沈滞を食い止めているのは政府部門で、国防関連投資の増加や公的年金のインフレスライドなど、複数の施策を講じている。ロシアの公的債務残高はGDP比10.8%と健全な水準で、財政出動には余力がある。プーチン政権の支持率は依然として高く、これをできるだけ維持するために、政府は可能なかぎり財政で景気支援を続けるはずだ。
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