安倍政権が打ち出した「3年育休」は、(当面の応急処置をする)絆創膏のような議論だ。育休1年で女性が復帰できない真の理由は、職場の長時間労働である。時短に守られていても、無制限に働く同僚の中では事実上、評価の対象外とはじき出される。あと4年で団塊世代が一斉に70代に突入し、親の介護を理由に残業できない男性も急増すると言われる。根本の長時間労働を是正しなければ、問題は解決しない。
今後は会社全体として、いかに短時間で生産性の高い組織を作り上げるかだろう。日本企業は時間外労働に対する感覚がマヒしている。まだ1970年代のように、若者が多く人件費の安い“人口ボーナス期”の感覚でいる。だが今は、労働力人口が激減する一方、人件費は中国人の8倍、インド人の9倍であり、晩産化の影響で、子育てが終わっていないうちに、親の介護が始まる例も多い。
そうした転換期に、労働時間に戦略のない企業は勝てない。「労働時間に規制を入れると自由な競争が失われる」という論理で、経済団体も長時間労働を放置してきた。が、人的資源の疲弊でうつ病が増加、睡眠が削られて集中力も落ち、創造性が失われたら、日本が沈没する。男性が倍働いて過労死しないためにも、高い教育を受けている女性の活用で、この国を沈没から救いたい。企業は時間当たりの生産性で評価すること。膨大な残業をし、期末までに高い成果を出している社員は、大赤字なのだから。
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