人、企業、ビジネスを引き寄せる
つくばエリアのパワー
茨城県 つくばエクスプレス沿線地域
一方、生活環境では商業施設の充実にも目を見張るものがある。研究学園駅近くには北関東で最大級のショッピングモール「イーアスつくば」があり、連日大勢の買い物客で賑わっている。また13年にはやはり研究学園駅周辺エリアに会員制大型小売チェーンの「コストコ」がオープンし、日常生活に必要なものはエリア内でほぼ充足できる環境が整った。さらに最近は駅から少し離れた地域にも商業施設が続々オープンし、住民の利便性がますます向上している。研究学園駅周辺には高所得層が多いことが着目されたのか、アウディが14年11月に営業を開始したほか、ポルシェ、レクサスなど高級車のディーラーが出店する計画も伝えられている。
圏央道の全線開通で
交通の便はさらに向上
充実した教育・生活環境に加え、つくばエリアには地価が安いという大きな魅力がある。東京駅まで同程度の時間・距離である八王子市と比較してみよう。八王子市で200平方メートルの土地に100平方メートルの戸建て住宅を建てると6000万円前後かかるが、それがつくばみらい市なら2000万円台から可能。商業・業務用地も同じように廉価だ。
そうしたことも背景に、東洋経済新報社が発行する「都市データパック」の「住みよさランキング」では、守谷市が5位、つくば市が14位と高く評価されている。つくばみらい市は159位だが、このランキングが全国790の市と東京23区を対象にしたものであることを考えれば、やはり高評価と言えるだろう。
15年度に圏央道がほぼ全線開通すれば、東関道、東北道、関越道に直結し、神奈川県から千葉県までが1本で結ばれることになる。つくばエリアが北関東の交通ネットワークの最大の結節点になりつつあることを見越して、この1、2年は、つくばエリアに物流拠点を設ける企業も増えている。鉄道網も、15年3月の「上野東京ライン」の開業によりJR常磐線の東京駅や品川駅への乗り入れが実現し、一段と利便性が高まる。
大学や研究機関、企業などの「知の集積」、充実の度を深める都市機能と住環境、そして名峰・筑波山に代表される豊かな自然。都心から1時間以内で行けるロケーションで、これほど条件の揃った地域がはたしてほかにあるだろうか。つくばエリアの勢いは、これからますます加速していきそうだ。