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ロシアの侵攻で露呈「安倍政権」重すぎる負の遺産 北方領土問題はマイナスからの仕切り直しに

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  • 星 浩 政治ジャーナリスト

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プーチン大統領との「個人的信頼関係」をアピールしていた安倍晋三元首相(写真:Kim Kyung-Hoo/Bloomberg)

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領によるウクライナ侵攻は、日本とロシアとの懸案である北方領土交渉を大きく後退させた。安倍晋三元首相は、首相在任中にプーチン氏との「個人的信頼関係」をアピール。それまでの4島一括返還の原則を事実上、「2島先行返還」に交渉条件を引き下げて成果を出そうとしたが、ロシア政府は3月21日、外務省声明を出し、ウクライナ侵攻に対する日本政府の経済制裁などを理由に交渉の打ち切りを宣言した。

北方領土問題は振り出しどころか、マイナスからの仕切り直しとなる。日本側の見通しの甘さによって領土問題が大きく後退した経緯は厳正に検証されなければならない。

第2次安倍政権の日露首脳会談は24回

2012年から7年8カ月続いた第2次安倍政権で、安倍首相(当時)とプーチン大統領との日露首脳会談は24回に上った。安倍首相は「シンゾー、ウラジーミルの個人的信頼関係が構築された」と強調。北方領土問題で次々と妥協案を提示した。

2016年5月、ロシア南西部のソチで開かれた日露首脳会談で、安倍首相は領土問題解決と平和条約締結に向けた「新しいアプローチ」を提案した。これは「日露双方に受け入れ可能な解決策」を作成しようというもので、領土問題を事実上、わきに置いて①医療、②都市環境整備、③中小企業、④エネルギーなど8項目の経済協力を進めようという内容だ。2014年のクリミア編入で欧米から厳しい経済制裁を受けていたロシアにとってはありがたい「支援」だった。

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【2018年に平和条約交渉を加速させることで合意】

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