テーラーメードの社会人向けプログラム
最先端の“工学頭脳”を、あなたのビジネスに
東京大学生産技術研究所
さらに、この受講生から「新しい事例」が生まれるかもしれないという。
そもそも生産研の特色として、産学連携に力を入れているという点がある。産学連携とは大きく4種類があり、その中でNExTは社会人が学生に準じた立場で研究する「受託研究員」にあたるものだ。しかし研究が進めば、企業と大学がより大きな形で連携する「共同研究」に発展する可能性もある。そして年吉教授によれば、実際にそのような動きが始まっているという。
「今年度は受講生とのディスカッションがうまく深まり、研究も進みました。今は、知財(知的財産)が発生しそうなので、もう少し詳細を詰めてNDA(秘密保持契約)を結びましょうか、という段階です。この企業さんのNExTプログラムの使い方は、我々がもともと想定したものとは違いますが、ステップとしては探索的なNExTから共同研究が生まれる、といういい例になるかもしれません」
こうした話を聞けば、NExTが単なる社会人教育プログラムではないことがよくわかる。それは大学と企業の関係をより近いものとし、短期間で互いにより大きな成果を得られることが期待される新しい産学連携の始まりなのだ。
「このプログラムのメリットは簡単に言えば、通常は修士2年間で得られる研究分野の景色感が1年で得られること。研究室を4つ回れば、その効果は×4かもしれません。時間を買うという意味ではかなりお得だと思います」(年吉教授)