テーラーメードの社会人向けプログラム
最先端の“工学頭脳”を、あなたのビジネスに
東京大学生産技術研究所
新しい分野に挑戦する企業を、大学が研究面で後押しするプログラムだけに、企業の希望と実際の講義・研究にミスマッチが起こっては意味がない。NExTでは受講生一人ひとりに対して「メンター」となる教員が付いて、研究室選びの相談に応じたり研究室との間の橋渡し役を担ったりするなど、マンツーマンに近いきめ細かい指導体制をとっているのが特長だ。
座学だけで2時間×21コマ
それだけで元が取れる?
具体的にNExTがどんなプログラムか見てみると、コースは大きく3つ。俯瞰講義コースと、調査研究コースのAとBだ。全てのコースに共通する俯瞰講義は、最先端の研究、技術マネージメント、技術英語など、工学分野の広い視野を鍛える座学。2時間ひとコマの授業を、時には学生と机を並べて、時にはNExTの受講生のみで1年をかけて21コマ受講する。だが、この講義ひとつとっても「NExTの特長が色濃く出ている」と、マイクロマシン・MEMS(微小電気機械システム)技術の基礎研究を手掛ける年吉洋教授は語る。
「NExTオリジナルの授業の場合は講師と受講生が1対1になることもありますから、わからない箇所は随時ストップをかけて質問することもできます。しかも、先生によっては宿題・予習があるのです。少人数ですから逃げられないですよ(笑)」
講義の内容は大まかには決まっているが、受講者が希望する内容があれば、教授陣がそれに応えるという融通もきく。東大で自分の授業を細かく「テーラーメイド」できるというわけだ。
この俯瞰講義だけではなく、研究室に入って教授たちとみっちり議論を戦わせたいという場合は、調査研究コースがある。受講生が関心を持った研究室に約3カ月間配属されるというサイクルを1年間で4回受けるAコース、半年間で2回受けるBコースという2種類だ。
「生産研の研究対象は工学分野全般をカバーしているので、必要な関連分野はきっと見つかるはずです。普段、各研究室は独自に先端的な研究活動をしていますが、目的があれば、関連する研究室がベクトルをそろえて動く『アメーバ型』の柔軟な組織になっているのが特色です。企業の研究開発にも通じる性格を持ったユニークな研究所です」(平川教授)
質的にも量的にも授業のレベルは非常に高い。