テーラーメードの社会人向けプログラム
最先端の“工学頭脳”を、あなたのビジネスに
東京大学生産技術研究所

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最先端の技術を研究している大学と、最先端の技術が欲しい企業。両者を結ぶ「産学連携」という仕組みはすでにあるが、かかる費用を過剰に見積もったり、実際の効果をいぶかったりするなど、二の足を踏んでいる企業は多い。そんな中、東京大学が中堅エンジニア向けの社会人トレーニングプログラムを作り、産学連携の敷居を一気に下げた。緻密かつ丁寧な指導内容は、日本の最高学府なのだから折り紙つきである。
住宅街の中に、近代的なビルと豊かな緑。都会の喧騒から少し離れた立地は、研究に没頭するには理想的な環境

160の研究室と300人の教職員が
工学分野の全般をカバー

目黒区の駒場Ⅱリサーチキャンパスに位置する東京大学生産技術研究所(以下、生産研)。基礎系、機械・生体系、情報・エレクトロニクス系、物質・環境系、人間・社会系の5部門12センターに、教授、准教授、講師らが主宰する約160もの研究室があり、これらを基礎単位として、教職員約300人、大学院生約700人が「基礎研究から技術の社会展開を意識した研究」まで幅広く従事する。

東京大学生産技術研究所
平川一彦 教授

この生産研が新しい産学連携の形として最近力を入れているのが「社会人新能力構築支援プログラム(New Expertise Training Program=NExT)」だ。最先端技術や分野横断的な研究開発を希望する中堅エンジニアを対象とした、生産研の複数の研究室で産業の芽となる技術シーズの調査を進めるプログラムだ。言わば、企業の中核となる人材に生産研の頭脳を自由に使ってもらおうという試みなのである。

半導体ナノテクノロジーの研究をする平川一彦教授は、「経験を積んできたエンジニアが次のステップに踏み出す時に、自分の専門分野プラスαが必要になるはず。そのための糧となるものを提供したいと考えています」と話す。NExTは、そのプラスαとして、イノベーションに向けた技術のシーズ、異分野融合型のプロジェクトを指揮できる俯瞰的視野に支えられたリーダーシップを習得する機会を提供している。

この研究所で半年~1年間教授たちと議論を重ね、最先端の学習・研究ができるのであれば、企業が得られるメリットは多大なものになるだろう。

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