米株式のパニック売り後はサンタラリーが到来 虎視眈々と押目買いを狙う米国の投資家たち

拡大
縮小

押し目買いの機会を狙うダイハード(筋金入りの)投資家は、クリスマスに向け、ボラティリティーの一層の高まりとさらに大きく、より魅惑的な相場の下げに備えている。

S&P500種株価指数は21日、4営業日ぶりに反発した。しかし経験豊富なベテランが、じっくり様子をうかがっている。

セブン・インベストメント・マネジメントのシニア投資ストラテジスト、ベン・クマー氏は「2018年のクリスマスイブをもう一度と言いたい。そうすれば、われわれは買いを入れる。これが本当に押し目なのか確信が持てない」という。

テクニカルシグナルは彼の味方だ。ファンドストラット・グローバル・アドバイザーズによれば、売られ過ぎの状況不在や高いグロース(成長)株への圧力など、複数の要因がS&P500種指数のさらなる下落の予兆となる。

ファンドストラットの分析によると、来るべき短期市場フェーズの終わりと「エリオット波動」と呼ばれるテクニカルサイクルの終了に伴い、待望のサンタラリーがその後訪れる可能性がある。

相場の上下動の大きさは、流動性が低下し、動きがより顕著になるクリスマス前のトレーディング共通の特徴といえる。18年にはクリスマス前の最悪の営業日を週の初めに経験した後、12月26日には5%急反発した。

クマー氏は今年についてそれほどのドラマを必ずしも期待しているわけではないが、それでも比較的大きなバーゲンを待って身構えている。パニック売りの最初の兆候があれば、飛び付くだろう。

 

ファンドストラットのマネジングディレクターで、テクニカル戦略責任者マーク・L・ニュートン氏によれば、いわゆるサンタクロースラリー期間はその年最後の5営業日と、年明け最初の3営業日を始動させ、12月の最初の数週を上回る利益が期待できる。

ニュートン氏は「弱気のセンチメントと強気の季節性の組み合わせは、クリスマス前の押し目買いに有効な『ワンツーコンボ』と思われる」とリポートで指摘した。

原題:Christmas 2018 Again? Market Veterans Wait to Buy Bigger Dip(抜粋)

More stories like this are available on bloomberg.com

著者:Denitsa Tsekova

関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT