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なぜ「セブン」は近所に何店舗も出店するのか ビジネスモデルでわかる小売のしたたかな作戦

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  • 今枝 昌宏 エミネンス合同会社代表パートナー、ビジネス・ブレークスルー大学大学院教授経営学研究科長

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小さな商圏に同じブランドが店を構えるビジネスモデル「地域ドミナント」(写真:winhorse/iStock)
近くにあると便利なコンビニエンスストア。でも、都心を歩いていると、「あれ? すごそこにもあるのに」と思うほど近い距離で同じコンビニが営業していることもある。コンビニに限らず、小さな商圏に同じブランドが店を構えていることがあるが、お互いに「共食い」になることはないのだろうか。『ビジネスモデルの教科書:経営戦略を見る目と考える力を養う』の著者・今枝昌宏が企業の狙いを解説する。

スタバもセブンも採用

本来、店舗はある程度距離を置いて出店したほうが、店舗商圏が広がり、中間に存在する顧客の取り込みも可能となるため効率がよくなります。しかし、それとは逆に、地域を限定してわざと店舗を密に配置するビジネスモデルがあります。

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それが「地域ドミナント」です。

地域ドミナントは、ある限られた地域内に集中的に複数の店舗を出店して競合が入って来る隙間をなくし、地域の顧客や需要を総取りするビジネスモデルです。「いかに競合がいない空間を作り出すか」ということは、ほかの優れたビジネスモデルにも共通して見られる重要な思考です。

スターバックスはこのビジネスモデルを採用していることで有名です。セブン-イレブンも明確にこのビジネスモデルを採用するとしています。

西松屋は、「ドミナントエリア」を設定して出店していますが、店舗の売上高があらかじめ定めた目標を超えると、その店舗とわざと顧客を共食いするようにもう1店舗出店すると言われています。これによって競合が入り込む隙がなくなるのと同時に顧客がゆったりと買い物ができ、しかもレジでの待ち時間がなくなって顧客の満足が上がり、ひいてはリピートにつながるとしています。

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【「共食い」でも勝つビジネスモデル】

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