金融庁の元幹部が明かす保険行政の限界と課題 「金融行政は保険会社に依存してしまっている」
コロナでシンプルな商品が選ばれた
――2020年度は新型コロナを抜きには語れない1年になりました。御社はどんな影響を受けましたか。
当社は個人向け保険では、インターネット販売に加えて保険ショップなどを通じた販売を行っている。住宅ローンや事業ローンの利用者向けに、金融機関を通じて団体信用生命保険(団信)も取り扱っている。
緊急事態宣言などで保険ショップや金融機関は影響を受けたが、ネット販売は想定以上に好調で、2020年4~6月の個人向け保険の新契約件数は、前年同期比で3倍以上伸びた。
――ネット販売が好調だったのはなぜでしょうか。
理由は3つある。1つ目は、コロナの影響で多くの人が巣ごもりになり、インターネットを活用する人が非常に増えた。(保険商品の購入も)ネット利用のハードルが相当下がったと思う。
2つ目は、コロナの恐怖を身近に感じて死や病気に対してのリスク意識が高まり、保険未加入の人たちのニーズを喚起した。3つ目は、在宅の時間が増え、加入している生命保険の見直しにつながった。
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