ダイエー再建の茨道、店舗投資拡大へ転換

ダイエー再建の茨道、店舗投資拡大へ転換

ダイエーが再び岐路に立たされている。既存店売上高は16カ月連続で前年割れ。4月上旬に発表した2010年2月期決算では大手総合スーパー(GMS)中で唯一、営業赤字に転落した。 

拡大戦略に伴う過剰債務で経営危機に瀕し、産業再生機構の傘下入りしたのは04年。国の管理下で銀行による債権放棄や資産売却で負債を圧縮した。06年にはスポンサーだった丸紅が筆頭株主となったことで、機構による支援が終了。翌年3月にはイオンも出資し、両社協力の下で再生を進めるはずだった。

だが、08年秋のリーマンショックで状況が一変。安売り戦略で伸びていた売り上げは12月に前年割れに転じた。一方、人件費や賃借料などのコスト削減も進まず、利益はみるみる落ちていった。

「機構による再生は本当の再生ではなかった」。2割弱の株式を保有するイオンの岡田元也社長は、4月中旬の決算説明会の席でこういら立ちをあらわにした。だが、4月に筆頭株主の丸紅から転じた桑原道夫社長代行(5月に正式就任予定)に言わせれば、「ダイエーをよくしようという突っ込みは丸紅もイオンも足りなかった」。

両社はともに株式取得に大金を投じているだけでなく、業績不振が続けば自身の決算上の重荷にもなりかねない。危機感が強まる中で、丸紅は流通部門を統括してきた桑原氏をダイエーへ派遣。「筆頭株主である丸紅が引っ張って」(桑原社長代行)立て直しを図る考えだ。

まず取り組むのが採算の改善。ダイエーは「いまだ朝一番をピークとする専業主婦をターゲットとしたビジネス」(幹部)を続けており、日中は人員過多で人件費が高止まりしている。一方、書き入れ時の夕方は人手が足りず、欠品でロスも目立つ。その品切れを補うために残業が膨らむという状況を打破すべく、勤務時間を夕方へ動かすなど人件費圧縮を急ぐ。

「他社に比べて法外に高い」(イオンの岡田社長)という不動産コストの削減も急務だ。昨年9月には賃料交渉を専属で行う部署を新設し、賃料低減に本腰を入れる。こうした施策と不採算店の閉鎖で、10年度は220億円の経費節減を見込んでいる。

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