日銀「異形の金融政策」、ETF買い入れの功と罪 残高はすでに35兆円超に、どう処分するのか
「株を買う意図はまったくない。株購入について作業したことも、考えたこともない」
2020年7月の記者会見でFRB(連邦準備制度理事会)による株式買い入れの可能性を問われたパウエル議長は淡々と答えた。
米国では議論にもならず
新型コロナウイルス感染がアメリカで拡大した2020年3月以降、FRBは異例の大規模金融緩和を断行した。実質ゼロ金利政策の復活、国債や不動産ローン担保証券(MBS)の大量購入、コマーシャル・ペーパー(CP)や一部の投資不適格債を含む社債の購入、海外中央銀行とのドルスワップなど、ありとあらゆる手段を使って金融危機の阻止に動いた。
しかし、株価が暴落しても日銀のような株式指数連動型の上場投資信託(ETF)や個別株式の買い入れだけは行っていない。パウエル議長の言を信じれば、議論にすらならなかった。
元日銀審議委員で国際金融に詳しい白井さゆり慶應義塾大学教授は、「アメリカの連邦準備法ではFRBは(株式以外の)債券などを買えると明記しているので、(株式の購入は)現時点では難しい。法改正するにしても両院の承認が必要なのでハードルが高い」と話す。
東洋経済プラスの連載「黒田日銀『苦闘』の最終章」では、この記事の続きを無料でお読みいただけます。連載では黒田日銀下の金融政策の課題を取り上げています。
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