PwC グローバル メガトレンド フォーラム ~勝ち残りを賭ける日本企業が、世界のメガトレンドと
直面するグローバルリスクにどう立ち向かうかを考える1日~

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

キーノートセッション
Fit for the Future 世界的な潮流をつかむ
~日本と世界のCEO意識調査から
見えるメガトレンドへの対応比較~

プライスウォーターハウスクーパース 代表取締役社長
椎名 茂 氏

プライスウォーターハウスクーパース社長の椎名茂氏は、PwCが世界68カ国1344人を対象に行った世界CEO意識調査の結果を解説した。同調査は毎年実施され、今回(2013年第4四半期実施)が17回目。日本企業からは約1割、127人が回答した。その中で「今後12カ月に成長の自信がある」と答えた日本のCEOは84%で前年比11ポイント増の大幅回復で、世界全体の85%に並んだ。椎名氏は「ようやく環境が整い、攻めの戦略を打つ時期を迎えた」と語った。

成長モードに入った日本企業の今後の成長要因では「新たな地域の市場開拓」への注目度が24%と、世界全体の14%より目立って高いという特徴が見られた。日本企業が成長する上で重要とする国・地域は、上位10カ国のうち7カ国をアジアが占め、M&A、合弁、戦略的提携を計画している地域も東南アジアが38%、東アジアが32%で突出した。アジア・太平洋地域では今後、中流層の急増が見込まれ、椎名氏も「購買層が集中するアジアに賭けるのは正しい戦略」と述べた。

一方で、規制、為替、労働コスト増などの「リスクを見越した備えも重要」と注意を促した。また、M&Aを計画する日本のCEOは15%にとどまり、米国の39%より大幅に少なかった。椎名氏は「日本企業は緩やかな提携を好み、M&Aには消極的。スピードのある経営のために時間を買うことも大事」と指摘した。

プライスウォーターハウスクーパース・ストラテジー代表取締役
今井 俊哉 氏

市場と共に重要な「製品・サービスの革新」について、「技術進歩」を、ビジネスに革命的影響を与える要因に挙げた世界のCEOは81%だったのに対し、日本のCEOは65%で、技術投資や人材戦略への回答の割合は低かった。椎名氏は「日本企業は、問題は技術以外の市場や売り方にあると認識しているようですが、本当でしょうか」と技術投資への関心の低さに懸念を表明。人材戦略についても、日本の労働人口減少を踏まえ、「刻々と変化する環境に対応できるレジリエントな組織の整備」が必要という考えを示した。

最後に、今年4月にPwCに加わったプライスウォーターハウスクーパース・ストラテジー株式会社の今井俊哉氏を紹介。今井氏は「戦略的コンサルに加え、実践的コンサルによって新たな強みを発揮することで、日本企業の成長と改革をお手伝いしたい」とあいさつした。

次ページ日本企業の海外進出への挑戦