2)全学校でのオンライン授業の実現
今後、日本に限らず、世界の教育は、オンライン化できるかどうかが極めて重要になります。今後、新型コロナの再流行や新たな感染症が出てこないとも限りません。通常はオフラインで進め、緊急事態になれば即、オンラインへスイッチングできる態勢が必要と考えます。
しかし、現在の公立学校のオンライン授業実施率は5%にとどまると言われています。急いで実施しようとすれば、全国の学校での導入時期や内容が極めてまちまちになる可能性が高くなります。来年9月であれば、今年の遅れた履修内容のリカバリ―も進む中で、スムーズに導入できる可能性が高まります。
3)入学試験への対応
最大の問題はこれでしょう。すでに教育格差が出ていると想定される現段階で、このまま時が進み、来春の入試となった場合、さらに大きな格差状態で受験をすることになります。
塾でオンライン授業を受けるなどで休校の影響を受けにくかった子と、そうではなかった子など、有利な子と不利な子に分かれてしまうことが予測できます。
教育の機会平等の原則が揺らぐ中で行う入学試験は今後、大きな問題へと発展しかねません。これを解決させる方法は、期間を延ばすことだと考えます。つまり、入試は来年の夏、7月に行うことにするのです。
以上、3つの観点から、「9入学に移行するのであれば時期は来年9月が望ましい」と考えています。
子どもたちの学びに”不利”を作らないために
もちろん、そのためには、膨大な数と量の調整作業が必要となります。それも、今年の9月までに間に合わせるのではなく、来年の9月に間に合わせるということであれば実現可能性は高まることでしょう。また、教育現場の先生も1.5倍の指導期間ということであれば、学習指導のみならず、部活動、学校行事を行うこともある程度可能となり、適切な指導を安定的に行うことができるでしょう。
もちろん、来年9月入学制度にもデメリットはあります。今年度だけ1年半の履修期間となるため、半年延びたぶんの学費をどうするのかという問題や、カリキュラムの変更や社会システム全体への影響との調整に、膨大な費用と時間と労力がかかります。
最後は、何を優先するかという政治判断になりますが、子どもたちの学びにとって不利や不平等がないこと、そのためにも教育現場が疲弊するような無理がないことを願ってやみません。
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