「選ばれる空港」を目指してさらに存在感を増す
成田空港
発着回数・旅客数ともに
過去トップクラスの伸びへ
成田空港は、単なる旗印にとどまらず、着実に「選ばれる空港」に向けた施策を進めている。その成果は実際の数字にも示されている。13年(暦年)の国際線・国内線の総発着回数は約22万1000回と過去最高。旅客数は過去2位となっている。中でも、LCCの新規就航や増便などにより、国内線発着回数、国内線旅客数が過去最高になっているのは大きな特徴だ。
成田空港に乗り入れる航空会社数も過去最高の85社となっている。成田空港では、さらなるニーズに応えるために、施設の整備を進めている。LCC拠点化への対応として、現在、第2旅客ターミナルビルの北側で、LCC専用ターミナルビルおよびにエプロンの整備が進行中で、14年度中の完成を予定している。
また、3大アライアンスの拠点化への対応として、航空機の出到着が重なるピーク時間の運用効率化に向けて、駐機場を増設するほか、第1旅客ターミナルビル南ウイングの能力増強として、入国審査場や税関検査場の拡張、手荷物取扱施設の能力増強等を図るとともに、第2旅客ターミナルビルの施設改良として、本館とサテライトの連絡通路の整備等を実施している。また、両ターミナルビルの搭乗施設を増設するなど、使い勝手の良い空港に向けた施設整備が進められている。
ソフト面を拡充し
さらに魅力的な存在へ
ここまで述べてきたようなさまざまな取り組みにより、成田空港における14年度中の発着容量30万回化が着実に近づいている。13年12月には、日本を訪れた外国人旅行者数が初めて年間1000万人を突破し、成田空港で記念セレモニーも開かれた。政府では観光立国の推進を重要な成長戦略とし、20年にはこれを2000万人に増やす目標を掲げている。今後、訪日外国人の拡大が見込まれる中で、日本の空の玄関口として成田空港が果たす役割には、大きな期待が寄せられている。
成田空港では外国人旅客を「おもてなし」するサービスの提供にも積極的に取り組んでいる。13年10月~12月には、国際線を乗り継ぐ外国人旅客向けに、専用ラウンジの開設や優待メニューの提供などのプログラムを期間限定で実施。結果を分析し、今後のCS向上の取り組みに生かしていく考えだ。また、多言語化への対応や、無料Wi-Fiサービス、商業施設の拡充などを進め、さらにスマートフォンなどの携帯端末を使った音声エージェントアプリ「NariCo」の提供も開始。ソフト面でも多様な施策を展開している。
世界各国とのバランスの良い豊富な国際航空ネットワークをはじめとする、成田空港の特色を見ていくと、日本という国にとって重要な資産であるとも感じられる。成田空港が、多くの旅客や航空会社から信頼され、魅力あふれる「選ばれる空港」になることが、日本の将来にとっても大切であろう。成田空港の存在意義がますます高まろうとしている。