CTC cloudage フォーラム ビジネスの加速を支える、戦略的IT基盤とITサービス
【特別講演Ⅰ】
メーカーベンダーイノベーション
生活用品からLED、家電、小分けして鮮度を保つお米……と、多彩なヒット商品を放つアイリスオーヤマ社長の大山健太郎氏がイノベーションの源泉にあるメーカーベンダー、ユーザーインについて語った。
新商品を次々に開発する同社のスタイルは、30年以上前のガーデニング用品製造開始時にさかのぼる。売れ行き予測が難しい新商品の取り扱いを問屋に増やしてもらうのに苦労した同社は、問屋の機能を併せ持つ「メーカーベンダー」という独自の業態を構築。大山氏は「新商品開発、新規参入の障壁を乗り越えられたのはベンダー機能のおかげ」と話す。
同社が開発する新商品は毎週20以上。元の本業だったプラスチック製品メーカーの枠を越え、顧客視点の「ユーザーイン」に徹してきた結果、商品数は約1万5000アイテムに上る。「生活者のニーズをかなえようとすればアイデアは尽きない」と言う大山氏は「配送の自動化などを可能にしてきたITは、メーカーベンダー、イノベーションの現場を支えています」と述べた。
【ランチセッション】
ネットアップのハイブリッド・クラウド環境活用戦略
ストレージ製品ベンダー、ネットアップの神原豊彦氏は、パブリック・クラウドとプライベート・クラウドを組み合わせるハイブリッド・クラウドにより、情報システム部門は「所有か、利用か」の二元論を越えて「サービス提供の役割を担うことになる」と述べた。
ハイブリッド・クラウドでは、複数のクラウドをまたいだデータ管理がポイントになる。同社は、クラウド間でデータを滞りなく移動させる技術を持ち、他社と提携してサービス開発に注力している。たとえば、同社のストレージに保存した企業のバックアップデータを瞬時にコピーできる技術を使い、企業がデータセンターを再編する際に、アマゾンのパブリック・クラウドのデータセンターに移して動かすことができる。また、バックアップされたデータを緊急時にクラウドインフラに移して、立ち上げるところまでをワンストップで提供するサービスでCTCと協業している。神原氏は「ハイブリッド・クラウドの形はお客様の考え方次第。最適な環境作りを支援する技術、サービスを届けます」と訴えた。