「ひとり情シス」の新たなトレンド デジタル時代の情報システム部門の実情

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中小・中堅企業でより一層こまやかなサポートが重要に

「ひとり情シス」の実態を浮き彫りにした本著。発売からおよそ1年で、情報システム部門の現場は、どう変化しているのだろうか

ひとり情シスが増加している背景に、IT環境の変化がある。ブラックボックス化している内製のシステムから市販のパッケージのシステムに移行したり、ネットワークの回線を可視化したりすることで、それまでと比較して管理が楽になってきた面は多い。また、社員がパソコンに触れる機会が多くなっているため、初歩的な問い合わせは、以前よりも減少している。しかし、新たな作業も発生し始めているという。

「多くのエンドユーザーは、WindowsのOSのバージョンを変更する経験もしているため、いくつかの注意事項の資料などを配布すれば、大きな混乱は起こらなくなってきています。しかしながら、そうとう手間がかかっている企業も多いのが実情です。例えば、『Windows 10の環境下でWindows 7のユーザーインターフェースと同じにしたい』とか、『アイコンの絵柄をWindows 7時代のものにしたい』などといった要望があります。そんなことまでしなければならないのかと思ってしまいますが、最近の雇用状況に影響を受けているといえます」

では、最近の雇用状況の影響とは何か。中小・中堅企業における人手不足は、より深刻な状況にある。高齢者が活躍できる場の創出や外国人労働者の戦力化など、さまざまな可能性を模索している。そのため、従来のエンドユーザーと同じではなく、可能な限りミスが起きにくいような操作環境に変更するなど、こまやかなサポートが必要になるのだ。ITに詳しくない社員へのサポートは今後、よりいっそう増加していくだろう。ひとり情シスの仕事が高度化する反面、エンドユーザーと寄り添い、ITをより活用する継続的な工夫も必要になっている。

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