「知の集積」が都市発展を加速する
つくばエリアの実力
県が直接、商業・業務用地を分譲
このような“知の集積”をより多くの企業が活用できるようにするため、茨城県は県有地を商業・業務用地として整備し分譲している。特に、県の分譲地の中でも最も大きな面積の土地は研究学園駅近くにある街区で約24ヘクタールに及ぶ。首都圏で、駅に近くてこれだけ広大な商業・業務用地が残されている例は珍しいだろう。
県では用地の面積については、相談に応じて柔軟に対応している。大規模な研究所でも小規模なオフィスでも歓迎するというわけだ。県やつくば市、さらに隣のつくばみらい市も、税の減免や奨励金などの企業立地促進優遇制度をそれぞれ設けている。
TXを利用すれば、秋葉原から終点のつくばまで最短で45分だから、都内からこの地域に拠点を移しても通勤には何の問題もない。従業員も継続雇用することができる。もちろん移転とともにつくばエリアに住まいを移すという選択肢もある。なにしろ東洋経済新報社が発行する『都市データパック』の「住みよさランキング」で、TX沿線の守谷市は3位、つくば市は22位と上位にランクされているのだ。
このランキングは住宅面積、持ち家比率、都市公園面積など14の公的データを指標に、全国789の市と東京23区を公平に評価したものだから、両市の「住みよさ」は全国でもトップクラスということになる。TX沿線では、つくばみらい市も231位に入っている。対象が790(23区は全体で一つの街としてカウントしている)であることを考慮すれば、これも十分な健闘ぶりといえよう。
もう一つ、リクルート社の「SUUMO」がファミリー世帯に聞いた「住みたい街ランキング」の関東編では、研究学園(この調査はまず住みたい沿線を選んでもらい、次に駅を選んでもらう方式)が堂々22位に入っている。ちなみに21位は有楽町で、渋谷は26位、池袋は29位だ。