消防車両最大手として
画期的な製品で需要を生み出す
【モリタホールディングス】
消防車両など特殊車両のほか、防災、産業機械などを手がけるモリタホールディングスの業績が好調だ。2012年3月期、13年3月期と2年連続で過去最高の売上高、営業利益を達成。さらに今期も増収増益を見込んでいる。市場が成熟しているにもかかわらず、成長を実現している要因はどこにあるのか、その取り組みを中島正博社長に聞いた。
シェア50%以上を誇る
消防車両のトップメーカー
モリタグループの歴史は、1907年に創業者の森田正作が日本で初めてガソリン付き消防ポンプを開発したことに始まります。以来百余年にわたり、消防車のトップメーカーとして、日本の消防技術発展に貢献してきたと自負しています。
現在、消防車両市場における当社グループのシェアは50%以上です。はしご車に限れば、約95%が当社の製品です。高いシェアではありますが、安心はしていません。むしろ緊張感を持って臨んでいます。
背景には、市場の成熟化があります。90年代後半のピーク時は年間約1800台だった需要は現在、約1200台になっています。自治体の財源が限られていることから、車両の買い替えまでの期間も延びています。買い替えずにオーバーホール(劣化部品、消耗部品の修理や取り換え)を施し、長く使おうとする自治体も増えています。
今後も市場が急速に伸びることは考えにくい状況です。ただし、こうした状況下でも、成長の余地は必ずあると考えています。市場が小さくなっているなら、需要を喚起する、これまでにない製品をつくればいい。事実、当社のシェアは10年ほど前には約40%でした。この10年間に10%以上伸ばしたのです。