デルが「総務部情シス」を支援する理由 デジタル時代に必要な経営トップの参謀

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総務部情シスが抱える問題は、これだけではない。

クラウドや仮想化といった新しい技術はコストや利便性の面で大きく改善することがある。しかし、総務部情シスは多忙なうえ、専任情シスと異なりIT技術の動向への関心が必ずしも高くないため、結果として、現行踏襲型になってしまう。

デル 上席執行役員
広域営業統括本部 本部長
清水博

「直接的な因果関係を説明するのは難しいのですが、仮想化やクラウドを取り入れている企業とそうでない企業では、業績成長の差が約28%もあります。情シスが新しい技術を取り入れているかどうかは、社内に進取の行動指針が醸成しているかを計る尺度なのかもしれません」

調査結果によると、中堅企業では、情シス関連業務を1人で担う「ひとり情シス」、担当者がいない「ゼロ情シス」が増加している。全体の約38%が情シス担当者1人以下で、前回の調査から1年で7ポイントも増加している。

IT人材不足が加速化する裏側では、激しい人材獲得競争が起こっており、情シス要員の約21%が退職している。一方で、社外から約37%の人材を採用するなど、雇用の流動性は非常に高まっている。担当者不在期間を生じさせ、潜在的なリスクを増加させる可能性がある。

情シス部門の人員減少は、今まで予期していなかった変化を引き起こしている。事業部門からの要求の増加に、対応が追いつかないケースが多発。その結果、情シス部門が把握しないまま、従業員が新たなIT機器やクラウドの活用を行う「シャドーIT」が増加している。300人未満の企業の約6割に存在している。

「セキュリティーリスクの増大やIT予算の増加につながる危険性があるため、シャドーITを安易に認めるのは危険です。しかし、ビジネスに近いところで試行錯誤し活用しているので、社内のデジタルトランスフォーメーションに貢献している事実も判明しています」

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