ブランドコンテンツとは
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ブランドコンテンツとは

ブランドコンテンツは、企業や団体のブランディングをサポートする東洋経済オンラインの企画広告です。

経済メディアは今、大きな転換期を迎えている。すでにアメリカでは名門経済誌フォーブスの身売り騒動など、ネットの台頭により業界再編が進み始めている。これからの経済メディアはどこに価値を置けばいいのか、マネタイズは何が主流になるのか、そして今求められる新しい経済メディアのあり方とは何か。今回、慶應義塾大学特別招聘教授の夏野剛氏と、ホリエモンこと堀江貴文氏に、新しい経済メディアのあり方について語ってもらった。


夏野剛
1965年神奈川県生まれ。エヌ・ティ・ティ・ドコモ執行役員などを歴任。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特別招聘教授、株式会社ドワンゴ取締役、World Wide Web Consortium顧問会議委員。

日本の経済記者は
担当業界の素人に過ぎない?

夏野 僕は仕事柄、取材を受ける機会が多いけれど、総じて日本の経済記者は専門家ではないという印象が強いですね。例えば、日本を代表する経済紙である日本経済新聞が典型だけど、各記者は各業界を2~3年ずつ担当して、部署をコロコロと変わっていく。いつまで経っても担当記者は素人のまま、業界を渡り歩いていくのが現状です。

僕がいた通信業界は、ビジネス上、それなりに奥深いところがあって、表層で起こっている事象の裏では、激しい駆け引きがあり、勢力拡大を巡って日々パワーゲームを繰り広げています。そうした表裏が一対になって業界は動いているんだけど、担当記者は、まず業界の勉強から始まるから、取材ではつまらないことばかり聞いてくる。

堀江 確かにそうですね。技術のこともわかってない。僕はそもそも技術のことがわかっている経済記者に会ったことがないです。

夏野 日経新聞を読んでいると、例えば、通信・IT業界の記事の8割は「本当かな」と首を傾げてしまう。ニュースになるような話ではないのに、ニュースにしてしまっている。そんなレベルで勝負しているのが、いわゆる既存メディアです。

しかし、その一方で、ネット上では、メディアに所属していない素人でも業界に詳しい人たちが一杯出てきて情報発信するようになりました。例えば、藤沢数希(「金融日記」ブロガー)に金融を語らせたほうが、金融担当記者よりよっぽど面白い。

堀江 金融を知るには、藤沢数希のメールマガジンを読んでいたほうがいい。

夏野 メディアで大事なことは、記者は担当分野について、少なくとも取材と裏付け、見識に基づいた正当性をもって、きちんと記事を書くことです。でも、それができていない。

堀江 まず署名記事が少ないですからね。


ほとんどの一次情報はネットで入手できる

夏野 例えば、「アゴラ(言論プラットフォーム)」のようなちゃんとした投稿型メディア、つまり、署名記事を集めてきたオンラインメディアのほうが、実は既存メディアよりも価値が出てきたということにみんながだんだんと気づき始めているわけです。だからこそ、これからの経済メディアではキュレーション(情報を収集しまとめること)が大事になってくるのです。

堀江 もう一つの変化は、直接一次情報がインターネットに流れるようになったことが大きいでしょう。今は会社説明会をネット中継しているところもある。僕がライブドアをやっていたときは、動画はまだメジャーではなかったけれど、今なら株主総会やアナリスト説明会も全部動画で公開すればいい。

夏野 孫(正義ソフトバンク社長)さんなんか、まさにそう。全部ニコニコ動画で公開している。

堀江 ニコ動で見られるのだから、一次情報を得るのに、別に記者は必要ない。そもそも今は、開示目的で大方の情報はネットに流れていますから。

夏野 株主総会で説明する事項なんて、基本的に全部ネットに載っているしね。

堀江 結局は、その一次情報を見て、どういう意味があるのかを解説する人が重要だということでしょう。

夏野 その通り。だから、個人でも勝手にどんどんと発信することができる。でも、問題は誰が信頼できる書き手なのか。それを見つけるまで、すごく時間というコストがかかる。

堀江 ただ、人数はそんなにいらないと思います。要はロングテールなので、各分野2~3人でいいと思うんです。


堀江貴文
1972年福岡県生まれ。株式会社ライブドア元代表取締役社長CEO、SNS株式会社オーナー兼従業員、株式会社7gogoファウンダー。

乱立するオンラインメディア
紙をそのまま再現するだけでいいのか

堀江 結局、評判の良い書き手は、ツイッター、フェイスブックでフォロアー数が多い人を選択することになるのでしょう。ただ、これからのオンラインメディアにとっての大きな課題は、書き手としてオンラインに出てこない人をどう取り込めるかだと思っています。

実は今、経済、政治、社会、エンタメなどを網羅したニュースアグリゲーション(ニュースの集約化)サイトを立ち上げようとしていて、いろいろな著名人に声をかけているんですが、なかなかネットに出て来てくれないんです。

夏野 出たくないってこと?

堀江 いや、既存の仕事が忙しいようです。ただ、著名なジャーナリストやコンサルタントは、これから既存メディアも本格的なネット時代に入るということを深刻に考えていないような気がします。

夏野 自分の意見を一定層が聞いてくれるという地位を確立している人にとって、ネットは面倒臭いんだと思う。ネットは様々な反応も返ってくるし、ケアしないといけないことも多い。そうすると、出たくなくなる。

堀江 状況としては今、みんながオンラインメディアをやり始めて、乱立しているかたちです。新聞も日経を筆頭にやり始めている。でも、彼らは、紙メディアをそのままネットで再現しようとしているところがあって、そこはちょっと厳しいかなと思うんです。

夏野 僕は、もし新聞が本格的にオンラインメディアをやるんだったら、全世界でトップクラスのフォロアー数を誇る人たちを全部リストアップして、その人たちの記事を集約すればいいと思っています。それくらいのことをしないとインパクトはない。

でも、そうすると新聞記者の仕事がなくなってしまうわけでしょ。だから、やらない。むしろ新聞は紙回帰で、紙をそのままiPadで見られるところで留めるというのも、一つの見識ではないかと思うんだけどね。


B級的なニュースメディアで
意外に読まれている記事とは?

堀江 一方で、オンラインメディアはタイプも様々で、B級的なニュースばかり流しているところもありますが、それもなかなか面白いですよ。

夏野  「GIGAZINE(ギガジン)」は結構面白いよね。誰も拾わないようなニュースを拾ってくれるから。でも、経済メディアでアグリゲーションを誰がやるかという話としては、誰もやっていないというのが正解なのかなあ?

堀江 「NewsPicks」がそうなんじゃないですか。僕はさきほど言ったように、すべてのジャンルを扱うニュースアグリゲーションサイトをやろうと思っているんですが、「NewsPicks」はアグリゲーションを経済に特化している。ビジネスとしては頭がいいと思います。

夏野 僕の場合、「NewsPicks」はテクノロジー系もフォローしていて、面白いネタを一杯拾ってくれるので、これだけで充分かなと最近思う。アプリの出来もすごくいいし。課題は一杯あるんだけど、アグリゲーション的には一番いいね。

堀江 一方で、美容室で雑誌を読んでいるような人たちは、言ってしまえば、レイトマジョリティです。そうした層は既存のB級的なオンラインメディアも見始めていて、PR記事なども熱心に読んでいる。夏野さんのような人はPR記事が気になると思うんですが、逆に彼らはPR記事をクリップする。編集記事もあるのに、一番クリップされるのがPR記事だったりするのです。びっくりしますよ。

夏野 それはPR側がうまいと思うけどね。


これからのオンラインメディアは
画像がベースになる。

堀江 ファッション雑誌を見ていると、半分くらいは広告じゃないですか。

夏野 ファッション雑誌のうまいところは、広告を編集記事のように見せるところ。

堀江 PR記事を読む人たちは、夏野さんのように情報を能動的に取り入れようとする層というよりは、どちらかと言えば、受動的に取り入れる層でしょう。でも、こちらのほうが、オンラインのユーザー数は将来的には増えると思います。

その意味で、これからのオンラインメディアは画像がベースになるでしょうね。画像に含まれている情報量はものすごく多い。文字だといちいち読まなければいけないから、すごく時間がかかってしまう。しかし画像は見ればすぐ認識できる。

スマホ、タブレット時代というのは、とにかく隙間の時間にどれだけ情報を詰め込めるかというところにフォーカスしている。これからはそうした“視聴”習慣に変わっていくと思います。そのときに大事なのは、やはり画像でしょう。

夏野 デザインも大事でしょう。でも、デザインなんか合議で決めたらダメだよね。

堀江 経済ニュースはデザイン的にはどうしても地味になる。いかにオシャレに見せるか。それには、尖ったセンスをもったクリエイターに経営者がデザインを全部任せるようにしないとダメでしょうね。「お前ら、あとから文句を言うな」と。でも、日本はアメリカと比べて尖ったデザインはなかなか出てこないですね。

対談の後編はコチラ

(撮影:今井康一)

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