デルが「大阪進出」に本気になった理由 中堅企業の課題解決策を構築し、全国展開へ

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同社が2年がかりで準備しているクラウドソリューションに関連する提携先は、エックスサーバーやカゴヤ・ジャパン、ラクス、ネオキャリア、エフアンドエムと、いずれも大阪に拠点のある企業だ。ともに中堅企業のニーズに応えていく体制がすでに整っているという。

大阪を拠点とした取り組みとして、地元の大学との産学連携も予定している。第1弾は近畿大学経営学部の教授らとの共同プログラムである「CIO養成講座」だ。

中堅企業にはCIOという役割は基本的にはないが、デジタル時代において、情報を統括する役割は必ず必要になるだろう。同講座は全6回のコースで、CIO的な役割を担うために押さえておくべき基本的な内容に加え、今、注目されているデザイン思考のアプローチについても学ぶことができる。

クライアント企業の経営幹部やひとり情シスなどのIT担当者を対象に、ビジネスやITリテラシーの向上を目指すという。

デル 上席執行役員
広域営業統括本部 本部長
清水博

「最近は大抵のことがスマホで済ませられるので、パソコンが苦手という学生が意外と多いです。また、当社がグローバルで実施した調査では、Z世代(1990年代半ばから2000年代初めに生まれた世代)の日本人は、ITリテラシーに不安があることが明らかになっています。近畿大学の先生とは『われわれが大学生向けにノートパソコン組み立て教室を開催して、そのまま出来上がったパソコンを使用させ、学生のITリテラシーがどのように向上するか研究しましょう』と話すなど、次々と新しいアイデアが出てきています」

デルの大阪進出は、もちろんビジネスとしてのメリットがあると考えての決断である。ただ、それだけではなく、中堅企業と正面から向き合い、支援したいという思いが根底にはあるのだ。

「単にマーケットがあるから進出するのではなく、微力ではございますが、社会貢献活動を含め、いろいろな取り組みを通じて大阪のお客様のお役に立ちたいというのがわれわれの考えです」

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