AKBグループ、人気メンバー以外「放置」の代償 NGT48暴行事件で元48Gメンバーの母親が告白
――この間の異常さに対して、グループOGで前NGT48のキャプテンである北原里英さん、現役では指原莉乃さんらがSNSで発言しましたが。
さすがはベテランだと思いました。彼女たちは運営のどういった点がダメなのかもよくわかっているので、言葉を選びながらいいタイミングで発言してくださいました。
――AKB48グループを運営するAKSのマネジメントについて。
抱えているメンバーの人数に対して、つねにマネジャーの数が不足しているように思います(メンバー7~8人に対してマネジャー1人)。一人ひとりのケアができているとは思えません。人気メンバーや売り出したいメンバーに注力するので、それ以外は”放置”されている感じ。単なるスケジュール伝達係ですが、それすらもできていなくて、メンバーはファンから(ホームページなどに掲載された)予定を教えてもらうことだって、あるんです。メンバーがどんな悩みを抱えているのか、心を許して相談に乗ってくださるマネジャーがいたら、今回のような事件は起きなかったのではないでしょうか。
――数百倍とも言われる競争率を勝ち抜いて合格したAKBグループのメンバーが”放置”されているんですか?
(AKB48だけで100人超、国内姉妹グループ合計で約400人いる)メンバー数が多すぎなんです。受かっても、まともに育成してもらえない。だから、一部で彼氏を作ったり、ファンとつながったりと、「遊ぶ」子が出てきてしまうのだと思います。
トラブルが起きても1人で抱えてしまいがち
――CD販促の握手会や多数のSNSへの投稿など、メンバーの負担は大きいです。
大半のメンバーはつねに一生懸命で、与えられた課題には全力で取り組んでいて、そこにかかるストレスは相当なものです。メンバー内でトラブルが起きても、まず誰に相談するべきか、メンバー自身もわかっていないと思います。自分1人で問題を抱えてしまいがち。マネジャーさんは異変に気づいてはいても、忙しすぎるので、気づかないふりをしていると思う。しかし、問題が大きくなってから運営が対処するのでは遅すぎるので、メンバーが何でも相談できる窓口を作ってほしい。
――では具体的にどのような対処が有効だと思いますか。
実際、襲われたときにメンバーが、(再発防止策として全メンバーに配布する)防犯ブザーのひもを引けるのか? つねにすぐにひもを引ける状態で携帯することはできるのか? 疑問に感じますが、何もないよりはいいでしょう。しかし、結局はメンバーの一人ひとりがつねに危機感をもって行動することが、いちばん大事なことだとは思います。
――運営会社に改善してほしいことは何でしょうか。
メンバーのメンタルケアを目的とした定期的な面談をしてほしい。かつては年1回、親との面談がありましたが、いつの間にかなくなってしまいました。外部の専門機関との連携や委託も必要かと思います。あるグループで、しつこいストーカー被害に遭った子がいたそうですが、結局、親御さんが警察に行ったりして、運営会社はあまり力になってくれなかったという話を聞きました。そういった点も本腰を入れてもらいたいです。
真相究明のための第三者委員会の設置や警備体制強化が発表され、運営会社のAKSも遅ればせながら対応に乗り出したように見える。だが、48グループに子ども等身内を在籍させる多くの家族や近親者の不安は、なかなか払拭しきれていないと言っていいだろう。
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