「CX戦略」強化における経営の役割

CXフォーラム2018

商品・サービスの機能による差別化が難しくなっている中で、企業は、顧客ロイヤリティを獲得して、長期にわたる成長・繁栄を目指す、CX(カスタマー・エクスペリエンス)強化の動きを加速させている。今年で第3回を迎えた「CXフォーラム2018」は、経営の役割をテーマに開催。参加した約250人が、CXの専門家の知見や、企業の実践事例に耳を傾けた。
主催: 東洋経済新報社、ラーニングイット
協賛: 野村総合研究所、セールスフォース・ドットコム
    富士通コミュニケーションサービス、りらいあコミュニケーションズ
後援: 日本コールセンター協会、日本マーケティング協会
    日本ダイレクトマーケティング学会、アイ・エム・プレス

Opening Remarks
CXにチャレンジ!

ラーニングイット
代表取締役社長
畑中 伸介

米国西海岸企業を視察した時のことに触れた、ラーニングイットの畑中伸介社長は「経営のCXに対する強いコミットが成功要因と感じた」と、CXを戦略に組み込む経営の役割を強調。事例紹介企業を探すのに苦労した第1回を振り返り、「今回の参加者の3分の2から『具体的に取り組んでいる』と調査に回答があった」と、CX浸透に感慨を込めた。

Opening Speech
CXが働き方を変える

CCMC
(Customer Care Measurement and Consulting)
バイス・チェアマン
ジョン・グッドマン

ジョン・グッドマン氏は、カスタマーサービスのポイントを四つ挙げた。一つ目は、不足する人材の確保・育成。オペレーターには、柔軟な解決策を顧客に提示することができる広い裁量を持たせることで、仕事への満足度を高められるが、管理が課題となると指摘した。二つ目は、マニュアルを読まない顧客の教育。問題が起きると企業の責任を問われるので対応が必要とした。三つ目が、複数チャネルをまたいで、一貫性のある顧客のやりとりを可能にするテクノロジーの活用。四つ目が、データ分析。必ずしもビッグデータは必要なく、顧客の苦情やアンケートのほか、業務データ、従業員の声も分析して、CX向上につなげることで「購買意欲を高められる」と語った。

Global Keynote
Leading the change to Customer Centric
「顧客中心経営」へのシフトをいかに生み出すか

Keystone Region of Comcast
Vice President of Care
リン・ホルムグレン

リン・ホルムグレン氏は、顧客関連の全プロセスに責任を持つチーフ・カスタマー・エクスペリエンス・オフィサー(CXO)を置いて「会社としてつねに顧客に向き合うマインドがCX向上に重要」と訴えた。CXで、既存顧客との関係を強化してリピーターにできれば、新規顧客開拓よりもコストを抑えて利益につながる。こうした顧客中心へのビジネス変革は、顧客データを収集し、自社の体制の評価を行って現状を踏まえ、目標、戦略を定める。留意点として、顧客の不満の原因の多くは、顧客の期待に合わない商品・サービスなど企業の問題であり、前線のカスタマーセンターだけでなく全社横断で解決すべきこと。コスト削減は前線の対応の質を低下させ、収益全体に負の影響を及ぼすことなどを挙げた。前線には、わかりやすく目指すことを伝えるとともに、柔軟に解決策を提示できる自由度と、対応スキルを培うコーチングの提供が重要と指摘。「顧客視点に立つことによって、原因の特定、問題解決ができ、クレームも減って売り上げ・利益につながる」と述べた。

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