少子化対策には妊よう性の知識も必要 低い日本人の妊娠への意識と理解

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同報告書に協賛したメルクセローノ不妊領域事業部門の池田秀子執行役員は、協賛の経緯をこう説明する。

メルクセローノ
不妊領域事業部門 執行役員
池田秀子

「当社は不妊治療領域におけるグローバルリーディングカンパニーです。妊娠を希望するカップルが1日でも早く赤ちゃんを授かるという夢の実現をサポートするのが当社のミッションですが、そのためには医薬品やテクノロジー製品を提供するだけでなく、より多くの人に情報をお届けするのもミッションと考えております。その一環としてEIUの調査に協賛しました」

同社はこの報告書への協賛に加えて、2017年から「妊活及び不妊治療に関する意識と実態調査」も独自に行っている。2018年7月に発表した第2回目の調査では「既婚女性の7人に1人、既婚男性の8人に1人が、不妊治療を経験していると回答している」という結果も出てきたという。

つまり、既婚男女の1割以上が不妊治療をしたことがあるということだ。もはや不妊は一部の人だけの問題ではないということをこの事実は示している。しかもこの数字は男女ともに昨年の第1回調査より増加傾向にある。

不妊は女性だけの問題ではない

またこの調査では、不妊症を自覚して医療機関を受診するまでに、女性の4割超が「半年以上」かかったと答えており、医療機関に相談することにもためらう傾向があることがわかる。

WHO(世界保健機関)の調査によれば、不妊の半数近くは男女双方に原因があり、男性側だけに原因があるケースも4分の1ほどある(※1)。不妊は女性だけの問題ではなく、男性も自分の問題として考えるべきことなのだ。けれども現実には、不妊を自分のこととして考えている男性は、決して多くないだろう。

※1:1996年WHO(世界保健機関)調査

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