リサイクルに革命!古紙「その場で」再生紙に 機密情報を完全抹消、紙の購入量も削減
環境や社会への貢献だけではない。使用済み用紙を繊維段階まで溶解して白い紙に戻す「RECOTiO」は機密文書などの処理などのセキュリティ対策にも極めて有効だ。「シュレッダーよりも確実に情報を消去できます。外部に委託されている機密文書の処理を社内でできるようになり、情報管理の安全性を高めることができます」と長田氏は語る。
顧客のニーズに応えるとともに社会的責任も果たす
「RECOTiO」にこれだけ多くの価値を付加できる理由は、開発したデュプロ精工にある。同社は印刷機をはじめ製本・断裁・メーリング機などの情報処理機器の開発メーカーとして業界で確かな地位を築いている。
「『RECOTiO』の開発は、紙の良さや便利さを熟知しているがゆえに、紙を継続して使っていきたいと考えているお客様のために、資源利用や環境面などでの紙の弱点を解決したいという思いから始まりました」と語るのは、開発の長を務める大谷壽希氏。安定した用紙搬送技術、高いカット精度、高い操作性など事務処理機器としての高い機能・性能は、デュプロ精工の技術力があってこそ実現したものだ。「紙を対象とした製品をつくる当社は、紙資源にかかわる課題に無関心ではいられません。事業を通じて社会や環境に貢献しつつ、お客様のニーズに応えることが当社の使命だと考えています」と大谷氏は語る。
デジタル化への対応は、目的ではなく、あくまでも業務改善や生産性向上の手段である。形ばかりにとらわれ、ペーパーレス化を急ぐと、かえって業務に混乱をきたしてしまう場合もあるだろう。
「RECOTiO」は、通常とは異なるアプローチで業務のデジタル化を支えながら、SDGsに資する機器であり、社員の環境意識を高めるツールと言っていいだろう。多様な側面から企業価値向上への貢献が期待できそうだ。