リサイクルに革命!古紙「その場で」再生紙に 機密情報を完全抹消、紙の購入量も削減

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薬剤を使用することなく、水のみで紙をほぐし、トナーを除去。また、紙の製造過程でも増強剤を使わないので、水のみで再生紙をつくることができる

また「RECOTiO」は、再生工程でも高い環境性能を発揮する。通常古紙再生過程では、繊維をまとめる増強剤や紙を白くする漂白剤が使われることが多いが「RECOTiO」は水だけで古紙をほぐし、再び製紙することができるのだ。加えて、小型製紙装置としては世界で初めてトナー除去機能を搭載。漂白剤を用いずに、トナーで印刷された印字成分を取り除き、紙を白く戻すことができる。最終的にゴミとして排出される量もトナーなどわずかである。

「もちろんすでに紙のリサイクルは進んでおり、日本での回収率は80%を超えています。ボール紙の古紙利用率は90%を超えていますが、オフィス古紙を含む紙分野では、古紙利用率が40%程度にとどまっているのが現状です。それに対し『RECOTiO』は、リサイクルによってオフィスで使用される用紙を生み出すことに加え、従来のように紙の購入やリサイクル業者を介する際の運搬・輸送などの流通過程で発生するCO2の排出も低減できます」と、同製品を生み出したデュプロ精工の長田優輔氏は、その優位性を語る。

顧客製品開発部門
開発プロジェクトリーダー
長田 優輔

最新機種の発売以来、とりわけ環境意識の高い企業や自治体などから早くも注目を集めているが、「RECOTiO」の真価は環境性能以外のところにもある。「紙を再生する機械が社内にあって、自分が使った紙がリサイクルされるのを目の当たりにし、その再生紙を使うことで、環境貢献やCSRに対する当事者意識が高まります」と長田氏。

会社を挙げてCSRを進めても、社員一人ひとりが社会的責任を果たすという意識を高めなければ、取り組みは成功しない。こうしたCSRの意識を高めるうえで「RECOTiO」は有効な手段になりえる。2015年、国際連合でSDGs(持続可能な開発目標)が採択されて以降、グローバルな視点で持続可能性の維持に寄与することが求められている。こうしたSDGsへの取り組みや発信にも役に立てるという。

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