四つの視点から迫る「真」の働き方改革 Work Style Innovation Conference
アウトソーシング
BPO 2.0
-新たな組織モデル構築の切り札としてのBPO活用方法
IBMの塩塚英己氏は、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)に対する企業の関心は、「BPO後の既存従業員の処遇という出口問題から、人材確保にどう貢献できるかという入口問題に移ってきました」と述べ、BPOの領域もノンコア業務の効率化からコア業務の高度化に拡大していると指摘した。最近のBPOは、コグニティブ技術の適用が効果を上げ、ノンコア業務では、チャットボットとRPAを活用した休暇申請処理など人依存型業務の自動化、コア業務ではコグニティブ技術で感情や性格まで踏み込んで分析する人材マッチングによる人事業務高度化の事例を紹介。顧客・従業員体験起点のデザイン思考など「クライアントとBPO側が共創するアプローチが必要」と訴えた。
チームワーク向上
緑あふれる空間設計でイノベーションに挑む
parkERsの組織改革
室内緑化を手掛けるparkERs(パーカーズ)の梅澤伸也氏は「専門性の高いメンバーの融合を図りたい」とKenexa(ケネクサ)の職業的パーソナリティー調査を導入した。同調査は、心理学の研究成果を基に性格傾向を客観的に数値化するもの。「弱い部分をさらけ出すことで、互いにカバーし合える関係ができた」と効果を実感。「自分を客観視できることは大切。基本資質は大きく変化しないので、調査結果は一生の財産になる」と話した。結果を同僚らに開示する研修を担当したIBMの別当類氏は「弱点をどうカバーしているか」も考えてもらうよう工夫したと説明。IBMの八木橋昌也氏は「組織に合わせてワークショップをデザインすればコミュニケーションツールになる」と述べた。
コラボレーション
イノベーションは人と情報の出会いから生まれる
-Connectionsでそんな組織をつくりませんか?
IBMの石原栄治氏は、デジタルオフィス環境を提供するエンタープライズSNS「Connections(コネクションズ)」を紹介した。斬新なアイデアを生むには「自由なオフィスが必要」と指摘。現実空間のオフィス以外に、人を中心につながり、情報の投稿、共有、拡散も容易なSNS機能を使い、場所に縛られず、自由に出会い、意見を交わすデジタルオフィスにも目を向けるよう促した。従来は、知りたいことがあると、詳しい人を探す必要があったが、コネクションズでは、検索でヒットした人のパーソナルページにアクセスすることで、社内知見の共有がスムーズになることをデモで説明。「人が中心のSNSによる新たなワークスタイルが従業員中心の働き方改革につながる」と語った。