営業改革 Summer'18 Sales Summit 稼ぎ続ける最強の「組織」と「仕組み」づくり
いまから立ち上げるインサイドセールス組織
〜組織の作り方と人材〜
セールスフォースの伊藤靖氏は、企業の関心を集めるインサイドセールス(IS)部門について話した。同社のISは、マーケティング部門が獲得した見込み客に電話やメールでコンタクトして商談化した案件を、外勤営業に引き継ぐ役割。10年以上前から導入していて、その経験から得たポイントを説明した。まず、主体的に動ける経験者を採用。名刺情報の本人に接触するため、最低5回はアプローチするといったルールを制定して管理。KPIは、商談の量が求められる一方、外勤営業の効率のために受注率を高く保つ案件の質も重要で「事業の変化に合わせ見直す」よう求めた。
「顧客と一緒にビジネスをつくる仕事がしたい」と、同社IS部門に転職した立石万智子氏は、ベテラン外勤営業担当の提案に学びながら、顧客に向き合えるISの仕事の魅力について言及。「プロフェッショナルとして部署に貢献し、自分も成長させていきたい」と語った。
組織営業を進化させるインサイドセールス
〜プロジェクトリーダーに聞く、
インサイドセールスのはじめ方と進め方〜
パネルディスカッションは、ISを導入した企業の担当者が、組織の作り方を語り合った。
MyReferの細田亮佑氏は、従来の直接訪問営業では、訪問件数、エリアの制約を受けることから、契約まですべての営業の仕事をISが完結する仕組みを構築。顧客の反応のデータを集めてトークフローをまとめ、経験によらない営業を可能にして、この1年半で200人以上を採用した。「ISに決まった型はなく、何を目指すかを考え、体系化できればいいと思います」と述べた。
コニカミノルタジャパンの川口奈緒子氏は、「当初は、ISと営業支援はどう違うのか、といった声も多く、社内理解を得るのが大変でした」と振り返った。特に、商談をクロージングする外勤営業担当との関係は重要で、その案件が訪問に値すると外勤担当が判断する条件を共有する必要や、訪問前に、外勤とISとの間で行う状況確認に時間がかかるといった、ありがちな事象にも注意を促した。
営業戦略立案のために企業・業界情報プラットフォームのサービスを提供するユーザベースの西川翔陽氏は、そのデータを使って、自社サービスに親和性の高い企業を選び、アプローチする手法を説明。ISは「次の伸びしろを探るセンサーの役割を果たせる」と述べ、「ISが、外勤営業と一緒にPDCAを回せば、人口減でますます求められる営業の効率化に寄与できます」と訴えた。