営業改革 Summer'18 Sales Summit 稼ぎ続ける最強の「組織」と「仕組み」づくり

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営業部門の課題克服の道を探って2017年秋から続くセミナーシリーズ「営業改革のビジネススクール」。今回は、規模拡大版の「セールスサミット」として東京・千代田区で開催された。「営業マネジメントの強化」と「営業組織の進化」の二つのトラックに分かれ、それぞれのテーマについて、専門家による理論、セールスフォース・ドットコムや先進企業が実践している取り組み内容が紹介された。
主催:東洋経済新報社
協力:セールスフォース・ドットコム

オープニング

秋津 望歩
セールスフォース・ドットコム
マーケティング本部 プロダクトマーケティングマネージャー

セールスフォースの秋津望歩氏は、約半数の企業が営業支援システムを導入済みだが、「顧客データを生かした営業活動の効率化ができていない」という課題が最多となった申込時のアンケート結果を紹介。「システム、データはあるが、それを生かした営業活動が明確ではないことがうかがわれる」として「今後の営業に生かせる学びを」と語った。

あなたの会社の営業方針はなぜブレるのか?
〜戦略を左右する2つの営業タイプ〜

高橋 浩一氏 
TORiX
代表取締役 CEO

営業強化の研修、コンサルティングを行うTORiXの高橋浩一氏は、営業スタイルを、リスト上を何往復も巡回する「ルート型」と、1社ずつ深掘りする「アカウント型」に分類して、営業方針の考え方を示した。ルート型は、接触頻度やエリア内シェアを上げる行動量が第一だが、アカウント型は受注率や顧客内シェアを上げるため、顧客情報収集による説得力を重視する。営業担当の特性にも影響されるうえ、環境の変化によって、ルート型からアカウント型のソリューション営業へ、もしくはその逆の転換も必要になる。高橋氏は「会社としての営業スタイルは、どちらかに割り切れるものではなく、両方を上手に使いこなすことが求められます」と指摘。マネージャーは、ルート型なら件数確保、アカウント型なら顧客課題理解に強いといった、ハイパフォーマーの傾向を見定めることで「育成の方向性も見えてくるでしょう」と話した。 

「提案は良かったけど、価格で負けました」
をなくす3つの質問
〜失注をめぐる営業担当者の主張と顧客の心理〜

高橋浩一氏が再登壇。発注側へのアンケート調査などから受失注は、単純な価格勝負だけでは決まらないとして、顧客の本音に迫る三つの質問を示した。第一は「接戦状況」の質問。「当社は何番目か」と問いかけ、顧客の迷い、接戦の度合いを探る。第二は「決定の場面」。決定理由を確かめるには「いつ、どのように決定されたか」という場面の事実関係を聞く。たとえば、上司の一声で決まったなら、その人物の評価ポイントがカギとわかる。そこを三番目の「裏にある背景」を知るための質問で深掘り。経験の浅い営業担当は、顧客から「今の取引先には、思うところもありますが」といった言葉を引き出しても「突っ込んだ質問を避けてしまう」と指摘。「どこまで踏み込んで聞くかが大事」と質問力強化を促し、鍛錬の方法として、俯瞰的に行動をとらえられるオブザーバー役も置いたロールプレイングの有効性を訴えた。

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