日本型プライベートエクイティが変える経済 ハートのある投資で産業インフラとなる

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プライベート・エクイティ・ファンドといえば、できるだけ短い期間でエグジットすることによりキャピタルゲインを得るというイメージがある。それに対して、つねに投資先企業と同じ目線・時間軸を持って、長期的な事業の成功を第一に考える「日本型」の投資を行い注目されているのがインテグラルだ。幅広い日本企業を対象に中長期的な成長を視野に入れ、ハートのある投資を実行することで、投資家はもとより、投資先企業の従業員や顧客などすべてのステークホルダーにメリットを提供し、ひいては「日本型プライベート・エクイティ」が日本企業を元気にするための産業インフラとなることを目指しているという。ここでは、2018年の春に新規上場を果たしたヘアカット専門店「QBハウス」を運営するキュービーネットホールディングス、ネイルサロン「FASTNAIL(ファストネイル)」を運営するコンヴァノ、建築資材大手メーカーの信和、というインテグラルが携わった3社の事例を基に、同社が評価される理由をひもといていきたい。

「日本型PEファンド」として独自の存在

プライベート・エクイティ(PE)・ファンドは、事業の存続や再成長のための資金・人材が必要な企業にとって有用な存在だが課題もある。それは、できるだけ早く投資家に利益を分配するためにどうしても株式の売却などの「エグジット」ありきの短期的な視野に基づく運用になりがちなことだ。

その点で、インテグラルが大きく異なるのは、経営理念である『Trusted Investor=信頼できる資本家』にふさわしく、経営陣との信頼関係を礎にし、長期的視野に立ってエクイティ投資を行い、経営陣・従業員と一体となって経営に関与することで企業価値を高める投資会社を目指していることだ。同社ではこれを自ら「日本型PE」と呼んでいる。

インテグラルは、単に理念を掲げるだけでなく、具体的な機能を設けて実行している。たとえば、その一つである「ハイブリッド型投資」は、投資家から集めたファンド資金と合わせて、自己資金も投資するものだ。自己資金による株式の保有持ち分はエグジットを前提とせず、投資先企業が希望しないかぎり売却しないため、投資先の経営者と同じ長期的な目線で、互いに信頼し、協力しあいながら企業価値の向上を目指すことができる。このほか、「i-Engine」と呼ばれる機能は、必要に応じてメンバーが投資先企業に常駐し、経営を支援するもので、まさに投資先企業の一員となって現場の声を経営に生かしていくという。以下では、インテグラルならではの特色を生かし、企業価値向上に成功した事例をいくつか紹介しよう。

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