フジテレビはジャニーズ忖度に風穴開けるか 復活の兆しが見える今、稲垣吾郎が突破口か
「SMAP解散前のように、稲垣さん、草彅さん、香取さんをテレビで見たい」「視聴者より芸能事務所優先の姿勢に辟易としている」という人々の思いに応えられるか。いきなり3人の冠番組を始めるのは難しいかもしれませんが、連ドラや音楽番組に登場させるだけでフジテレビのイメージ回復は進み、復活が本格化していくでしょう。
偉大なるSMAPの中間管理職
最後に、今回の主役である稲垣さんについて。
もともと稲垣さんはSMAPメンバー5人の中でも連ドラ初主演の時期が最も早く、エース格の存在でした。当時まだ18歳だった1992年、月9「二十歳の約束」で初主演を飾ったほか、翌年には『プライベート・レッスン』で映画初主演も務めるなど、華々しいスタートを切っていたのです。
その後は、トーク力を前面に出した中居正広さん、カッコよさを前面に出した木村拓哉さん、人の良さを前面に出した草彅剛さん、元気を前面に出した香取慎吾さんとは一線を画すように、稲垣さんは中庸的な立ち位置へ。年上の中居さんと木村さん、年下の草彅さんと香取さんに挟まれた真ん中世代ということもあり、「まるで調整役のように一歩引いたところから見ている」という印象を与えていました。稲垣さんをビジネスパーソンにたとえると、「同期の成績トップで入社したけど、しだいに成績が真ん中に落ち着き、中間管理職としてバランサー役に回るようになった」という状態です。
稲垣さんはSMAPメンバー内だけでなく、俳優としても主演を引き立てる助演に回ることが増えましたが、むしろそのことで魅力アップ。共演者から「稲垣さんと共演したい」、制作サイドから「ゴローちゃんに悪役をやってもらいたい」などと求められるタイプの俳優になりました。これをビジネスパーソンにたとえると、同僚から「稲垣さんと一緒に働きたい」、経営者から「稲垣くんにプロジェクトのサポートを頼みたい」、取引先から「この仕事は稲垣さん担当でお願いします」と言われているようなものです。
SMAPという偉大なグループの中間管理職を務め、個人では社内外から幅広い役で求められる。そんな過去を持つ稲垣さんだからこそ、「地上波本格復帰への突破口となるのではないか」という期待感を抱いてしまうのです。
取材で会ったときの稲垣さんは、テレビ画面から伝わるとおりの穏やかな人柄でした。共演者も視聴者も気軽にツッコミを入れたくなる等身大のたたずまいも含め、年齢を重ねるごとに魅力を増し、愛されるタイプだけに、フジテレビに限らず活躍の場が増えることを願っています。
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