STARTUPS SUMMIT TOKYO 気鋭のスタートアップ企業による成長戦略

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スタートアップ企業の成長戦略を考える「STARTUPS SUMMIT TOKYO」が東京・千代田区で開かれた。急成長を実現しているスタートアップ企業の経営者らによる、組織づくりや、成長過程でぶつかる課題、営業戦略、AIとビジネス――に関する”生の声”に、同じスタートアップ企業の経営者ら約400人が耳を傾けた。
共催
セールスフォース・ドットコム
東洋経済新報社

オープニングスピーチ

セールスフォース・ドットコム
コマーシャル営業 専務執行役員
千葉 弘崇

1999年の創業以来、約20年で売上1兆円超企業となったセールスフォース・ドットコムで、スタートアップ企業向けセールスを担当する千葉弘崇・専務執行役員は「急成長を実現している企業のノウハウを共有し、皆さんの会社の発展のヒントにしていただければ」と呼びかけた。 

来賓スピーチ

自民党衆議院議員   総務大臣政務官 兼 内閣府大臣政務官
小林 史明

小林史明政務官は、人口減少という有事とテクノロジーの進化をはじめとする社会の変化に触れ「この国を前に進めるため、スタートアップ企業の皆さんの力をお借りしたい。総務省でも『異能vation』『I-Challenge!』など応援する施策を提供している」と挨拶した。

keynote
「海外ユニコーン企業」並みの成長曲線を描く
スタートアップの組織づくり

SmartHR 代表取締役
宮田 昇始

人事労務管理のクラウドサービスを展開するSmartHRの宮田昇始氏は、その急成長を支える組織づくりを中心に話した。2年半前まで渋谷のワンルームマンションに拠点を置き、社員も3人だった同社は、米国ユニコーン企業に負けないスピードで急成長、今では従業員も60人余りになった。その推進力となったのは、手書きに替わるオンラインでの入力や電子申請を駆使して社会保険、年末調整などの煩雑な手続きの負担を大幅に軽減するサービスそのものの力に加え、「自律駆動型」組織があった。

宮田氏は「100の問題を社長一人で解くのではなく、50人で2問ずつ解く経営」を掲げ、社員一人ひとりが課題を解決する組織づくりに必要な三つの要素を挙げた。

一つは、前提となる情報が異なれば、意思決定もズレることから、社長と社員が同じ情報を共有できるよう、経営会議議事録や口座残高等の情報を「オープン」にした。さらに「社員が情報を取れるだけでは不十分」と、毎週、経営会議の内容を社員に説明する場も設けている。

二つ目が「強い価値観」。同社のバリューを日常で口にしやすい言葉で制定し、バリューに沿った行動ができていれば評価が高まる仕組みにしている。

三つ目が「フラット」。スクラム開発手法を採用する同社では、仕様などの方針は現場チームが決めるため「後から上司にひっくり返されるおそれ」もなく、真剣な議論が行われる。入社1カ月の社員が「SmartHRの残念なところ」を指摘して、抜本的改修のきっかけをつくったこともあった。宮田氏は「ボトムアップで様々なことが決まります」と自律駆動型組織の手応えを語る。 

keynoteラップアップ 
セールスフォース・ベンチャーズ シニア・インベストメント・マネージャー 
林口 哲也

BtoB向けSaaSスタートアップ企業への出資、事業支援を行うセールスフォース・ドットコムのコーポレートベンチャーキャピタル、セールスフォース・ベンチャーズの林口哲也・シニア・インベストメント・マネージャーは「カルチャーを大切にする点が参考になります」とまとめた。 

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