アンメットニーズに応える成長戦略 革新的新薬をグローバル市場へ

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二つ目の成長戦略として挙げたのが「R&Dの変革」だ。「世界のトップランナーとなり得るがん免疫療法薬を開発したことで、重点を置くべき研究領域がはっきり定まりました。化合物オリエントからの創薬だけでなく、医療ニーズの高いがん、免疫疾患、中枢神経疾患などを重点研究領域に据えて経営資源を集中的に投入。ポストがん免疫療法薬として、ファーストインクラスを狙える革新的な医薬品開発に挑みます」。

同社の新薬開発の強みは、「化合物オリエント」に加えてもう一つ、「オープン・イノベーション」にある。昨今、さまざまな分野でその重要性が語られているが、小野薬品工業がオープン・イノベーションに取り組み始めたのは、50年以上も前にさかのぼる。プロスタグランジンの全化学合成をはじめ早くから国内外の有力な大学や研究機関と積極的に共同研究を行い、世界から最新の知見を結集して先端領域の研究を進めてきた。そのネットワークや実績のアドバンテージは決して小さくない。「今後は、医薬関係以外との連携も模索したい。情報や工学など、これまでなかった分野とのコラボレーションも必要だと考えています。おもしろいテーマが見つかればぜひ挑戦したい」と意欲的だ。

三つ目の成長戦略が、「海外への挑戦」だ。国内の事業環境が厳しくなる一方でグローバル市場は拡大しており、その規模も成長可能性も国内とは比較にならない。同社はすでに韓国、台湾に現地法人を設立し、自社販売をスタートしており、次に相良社長が照準を定めるのは、世界最大のマーケットである欧米だ。これまでアメリカの大手バイオファーマであるブリストル・マイヤーズ スクイブ社とタッグを組み、がん免疫療法薬の欧米での承認取得を成功させているが、次は「自力」での進出を目指す。「まずは当社の強みを発揮できるニッチな市場に焦点を当て、自社販売の第一歩を踏み出したい。すでにいくつかの候補化合物に的を絞っています。それらをはずみに『本気で』ビッグマーケットへ乗り出します」と自信を見せる。

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