韓国は北朝鮮の平昌五輪参加を拒否すべきだ 北朝鮮の狙いは米韓の間に溝を作ること
重大な挑発行為の後に、関係国間の温度差を表面化させるための融和姿勢を示す戦略を、北朝鮮はこれまで長く実践してきた、とラッセル氏は語る。「これは、典型的な『団結すれば立ち、分裂すれば倒れる』状況だ。5カ国の団結を維持するのは、北朝鮮がひどい振る舞いをしている時のほうが簡単だ」
トランプ米大統領は、米本土を射程に納める核ミサイル開発を急ぐ北朝鮮に対し、国際制裁の強化を主導してきた。対北朝鮮貿易への厳しい制限を含むこうした努力の成功には、中国やロシアなどの全面的な協力が不可欠だと、米政府は考えている。
北朝鮮の主要貿易相手国である中国は、国連制裁に同調して対北貿易を削減しているが、米政府は北朝鮮を孤立させるため、さらなる行動を中国に求めている。
韓国は馬鹿げた呼びかけを拒否すべきだ
韓国政府は表向き、正恩氏の発言を歓迎している。同国の文在寅大統領は、米韓の合同軍事演習を五輪後まで延期する可能性について言及しており、五輪開催前に北朝鮮との緊張を緩和しようと努めてきた。
文大統領は2日、南北関係の改善は、北朝鮮の核開発問題の解決と関連しているとも述べた。
米政府は、まだ詳細な対応を表明していない。だが共和党有力議員のグラハム上院議員は、北朝鮮が冬季五輪に参加するのであれば、米国は大会をボイコットすべきだと主張する。
「北朝鮮の冬季五輪参加を許すならば、地球上もっとも非合法な政府に正当性を与えることになる。韓国政府はもちろん、こんなばかげた呼びかけを拒否すると思うし、仮に北朝鮮が冬季五輪に参加するならば、われわれは参加しないと信じている」と同議員はツイートした。
同議員は過去にも、元米国家安全保障局(NSA)職員で、米当局の情報収集活動を暴露したエドワード・スノーデン氏の亡命をロシアが受け入れたことで、ソチ冬季五輪のボイコットを呼びかけたことがある。
北朝鮮選手団や職員が五輪に参加する図は、北朝鮮を国際社会の鼻つまみものとして位置付けてきた各国指導者にとって、居心地の悪いものになる可能性があると、韓国釜山大のロバート・ケリー教授は言う。