韓国は北朝鮮の平昌五輪参加を拒否すべきだ 北朝鮮の狙いは米韓の間に溝を作ること
「北朝鮮の孤立に力を尽くしてきた米国や日本との間に緊張を生む可能性があり、韓国は微妙な立場に立たされるだろう」と同教授は指摘した。
日韓関係はすでに幾分ギクシャクしているとみられている。日本政府は韓国との関係に「疲れて」おり、文大統領に不信感を抱いていると日本の元外交官は説明する。
だがそれでも、金正恩氏の呼びかけによって、米韓の同盟関係や、対北朝鮮制裁強化による国際包囲網に、大きな傷がつく可能性は低いと専門家はみている。
「短期的に、世界的な経済・政治の孤立作戦が大きく転換されることはないだろう」と米シンクタンク外交問題評議会で米韓政策を担当するスコット・スナイダー氏は語る。
さらなるミサイル実験
専門家が懐疑的な理由としては、正恩氏が核兵器やミサイル実験、人権などの重要な点について、妥協する意思がないように見えることが大きい。「五輪参加などは、見せかけの譲歩だ。北朝鮮が実際に何かを手放すわけではないからだ」と、前出のケリー氏は話す。
金正恩氏は新年の辞で、2018年は「核弾頭と弾道ミサイルを量産」し、「実戦配備に拍車をかける」と宣言した。
これは、開発実験よりも「現実的な」演習に力点を置いた、さらなるミサイル実験がほぼ確実に実施されることを意味する、と米ミドルベリー国際大学院のジョシュア・ポラック氏は言う。
「戦略軍の主要課題は、開発から、量産と実戦配備に移りつつある」と同氏は指摘。
米国が、どんな緊張緩和の機会も利用したいのであれば、対話の前提条件として求めてきた実験停止を撤回する必要がある、とニューヨークの北東アジア安全保障プロジェクトのレオン・シーガル氏は言う。
「見返りとして最も重要なのは、合同演習を単に延期するだけでなく、規模を縮小することだ。そうした試みに失敗するならば、制御不能な北朝鮮の兵器開発が続くことになる」
(Josh Smith David Brunnstrom 翻訳:山口香子、編集:下郡美紀)
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