また、スーパーのハム売り場の100g80円のソーセージと、近所のお肉屋さんの手作りソーセージ(100g200円くらい)とどっちを、お子様に食べさせたいと思いますか?もちろん、街の個人商店が、すべて素晴らしい商品を供給しているという保証はありませんが、素材にこだわっている商店はその店主を見ていればわかりますよね。(余談ですが、スーパーで売っているハム、ソーセージの単価は、同じグラム数の豚肉を買うより安いことを「変だ」、と思わないとすると、あなたは相当毒されてます)。
はたまた、おばちゃん二人で手作りでおつまみを出しているカウンター居酒屋と大手の居酒屋チェーン(おそらく3割は安い)と、どっちで酒を飲みたいですか?
時代は、手工業に戻ってきている
こうやって聞いてみると、結構答えは明らかですよね。
そうです。時代は明らかに脱工業製品へ向かい、手工業に戻ってきているのです。特に食品については工業化が行き着いた挙句に、人体に危ないものが入っている、という事実が白日の下にさらされたわけです。一体誰が何を使って作っているのか……がはっきりしないものは危ない(当たり前の話なのですが)と、改めて思ったわけですね。
ワタクシのようなところまで行くと、極端かもしれませんが(基本的に口にいれるものは野菜にせよ、肉にせよ作った人がわかっている)、しかし、ワタクシと同じような希望を持っている人は本当に多いのです。実際、アメリカだとニューヨークのような大都市でも、朝どれのチキンを夕方に持ってくるような農業者が、たくさん存在します。
日本はこの点でもまだ遅れているのは明らかで、それは農協という巨大な組織があるのが一つの大きな理由でしょう。
農協や大手スーパーなどの供給する商品をすべて否定しようというものではありません。しかし、ここは、もう個人消費者が自分で考えて立ち上がるしかないわけで、消費者が人体に悪影響を及ぼすようなものが入っているような食品を買わない、と決めればいい。
その最大のアンチテーゼを提供したのが、われわれが紫波町のオガールでやった、「紫波マルシェ」だった……と言ったら、わかりやすいでしょうか。人口約3万人の東北の田舎、といえども、そういうニーズを集めれば100万人もの人が集まっておカネを落としてくれる、という現実がそこにはあるわけで、逆に言えば「工業製品の食」に対する不安は、それだけ大きいということになります。
これは食だけではありませんね。わかりやすいのが食ですが、衣食住、あらゆるものの消費者の価値観が変わっているといっていいと思います。
衣でいえば、大手チェーンのスーツと、ご近所のテーラーのスーツ(おそらく3割は高い)とどっちがいいですか、という話ですし、食は今見てきた通りですし、住についてもエアコンかけまくりでエネルギーを垂れ流すナンジャラハウスの住宅と、ほぼ光熱費がゼロで済む断熱住宅(坪単価では、建築費が1-2割ほど高くなります)とどっちがいいですか、という点については、皆様の答えはかなり明確になっているのではないでしょうか。
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